国歌斉唱時に起立しない教職員の氏名を県教育委員会が収集していることについて、神奈川県教委は4日、定例会を開き、氏名収集の継続を決めた。県教委は3月の卒業式で氏名収集を再開する方針。
この問題については昨年10月、県個人情報保護審査会が、収集した氏名を県条例が禁じた「思想・信条の個人情報」と認定したため、県教委はいったん氏名収集を停止。先月には、県個人情報保護審議会が「不適」としつつ、最終的には「県教委の判断」とする答申を出した。
定例会では、同審査会と同審議会の答申に対し、中岡正広高校教育課長が「氏名収集を継続する」と各教育委員に報告。その後の審議で、「公教育における学校教育の現場での教員の行為が、ひとりひとりの信条でなされてしまっては学校運営に支障が出る」として、教職員が君が代斉唱時に起立することを職務であると判断した。
氏名収集の継続について引地孝一教育長は、「思想信条に触れることなく、粘り強く指導する。不起立の教員がいるのは、決して好ましくない」と指摘。これに対し、氏名を収集された男性教員(58)は、「審査会、審議会の答申の重みを理解しないもの」と批判している。
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