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【社会】ギョーザ風評被害防げ 春節『客足が心配』 横浜中華街 安全性PR 宇都宮『飛躍の機会に』2008年2月2日 夕刊 中国製ギョーザによる中毒の衝撃は、ふだんは家族連れやグルメ客らでにぎわう中華街や「ギョーザの街」にも影響を広げている。料理店などでは中国関連食品への風評被害を防ごうと、あの手この手で安全性をアピールする。七日には中華街が一年でもっとも盛り上がる春節(旧正月)を控えているだけに、「悪い影響が出ないようにしたい」との店主らの思いは切実だ。 横浜中華街(横浜市中区)の料理店「招福門」では一月三十一日から、「ギョーザの安全性について」と書かれた張り紙を店内に掲示。テーブルでも同じものを来店客に配っている。同店の梶恒翁総支配人は「中国製イコール中華街となりがち。安全をアピールしお客に不安が残らないようにしたい」。事態が沈静化するまで続けるという。 中華街で三十年以上、営業しているという中華食材販売店では、誤報だった昨年の「段ボール肉まん騒動」以降、「当店の商品は検査済みです」との張り紙を店頭に掲示したままだ。経営者の女性(60)は「一時に比べ、客足が少し戻ってきただけに残念。客足がどうなるのか。これからが心配です」と話していた。 ギョーザの消費量が全国トップクラスで、専門店も多いことからギョーザの街として知られる宇都宮市。市内のギョーザ店は国内産原料を使用している店がほとんどだが、あらためて張り紙を出し、安全性のPRに懸命だ。 創業五十年の老舗「宇都宮みんみん」社長で、県内の約八十店舗でつくる「宇都宮餃子会」の代表理事も務める伊藤信夫さん(74)は「中国製原料を使っていないか、といった問い合わせは三件あっただけ。事件を機に、一段も二段も飛躍してギョーザのレベルアップを図りたい」。家族で訪れていた同市の会社員若山理作さん(28)は「国産原料だから安心だと信じている」ときっぱり。 カレー風味などユニークなギョーザが評判の「シンフー」の横山とき子店長(58)は「うちも国産原料を使っているが、客足は遠のいた」と肩を落とした。 みそ汁ギョーザが名物の「青源」の本多敬子店長(59)は「イメージは悪くなったかもしれないが、お客さまには安全性をわかってもらえると信じている」と話した。
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