朝日新聞社は09年1月25日に創刊130周年を迎えるにあたり、「環境」と「歴史」「文化遺産」をキーワードにした多彩な記念事業を今年から展開します。
まず環境分野では、地球温暖化対策を定めた京都議定書が今年スタートし、7月には洞爺湖サミットが開かれるのを機会に、地球環境の未来を考える大型の国際シンポジウムを6月に東京で開催します。国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の首脳や欧州の環境担当相、アジアのNGO代表らを招いて、パネルディスカッションなどを予定しています。
さらに、映画監督の山田洋次さんを委員長に、すこやかで美しい自然と景観を選ぶ「にほんの里100選」や、国の天然記念物で絶滅危惧種となっているアホウドリを火山噴火の恐れがある伊豆諸島・鳥島から小笠原諸島・聟島に移住させる山階鳥類研究所の事業を支援するなど、身近な自然保護から地球環境対策まで、幅広く取り組みます。
歴史分野では、明治・大正期の朝日新聞の全紙面データベース化、大阪本社に残る戦前・戦中の写真のデジタル化とともに、戦前から戦後にまたがる朝日新聞の「昭和報道」を社外の歴史研究者と検証します。
また、文化遺産関連では、6月から奈良国立博物館で「国宝 法隆寺金堂展」を開くのに続き、岡倉天心らによって発刊された美術研究誌『國華』の創刊120周年を記念して、7月から東京国立博物館で、「対決―巨匠たちの日本美術」展を開きます。
このほか、6点以上の作品をまとめて一挙に展示するフェルメール展(8月から東京都美術館で)や東京・国立新美術館と東京・サントリー美術館で同時開催するピカソ展(10月から)、劇作家・井上ひさしさんの書き下ろし作品に演出家の蜷川幸雄さんが初めて取り組む音楽劇「ムサシ」の公演(09年3月、彩の国さいたま芸術劇場で)など多彩な催しも計画しています。