周防大島で民俗学者・宮本常一しのぶ「水仙忌」
スイセンを飾った本堂で、手を合わせる参列者
周防大島町出身の民俗学者・宮本常一(1907〜81年)をしのぶ「水仙忌」が、命日の30日夕、生家近くの寺でしめやかに営まれ、県内をはじめ、福岡や長崎、広島県などから訪れたファンら約30人が故人の遺徳をしのんだ。
晩年に帰郷した宮本が開いた郷土大学(学長=米安晟・東京農大名誉教授)の主催。没後から数年間は、「しのぶ会」としていたが、春に向かって野辺に咲くスイセンが「宮本先生のイメージに合う」と、途中から「水仙忌」と名付けた。
参列者全員で墓前に参り、スイセンを供えた。本堂で焼香後、宮本と親交が深かった町民らを中心に語り合った。同大顧問の柳居俊学県議は「変革が叫ばれるこういう時こそ、本質を見間違えない視点、観察力を持った宮本先生の教えを思い出し、まちづくりに励みたい」と話した。
また、宮本の葬儀が行われた東京都内の寺でも同日、水仙忌が営まれ、約30人が参列した。