中国製ギョーザ中毒事件で、被害者の千葉市稲毛区の女性(36)が持参したギョーザの検査を拒否したとして、千葉市が2日に行った釈明会見で、虚偽の説明をした疑いがあることが分かった。女性は3日、産経新聞の取材に市側が「けろっとして帰った」と説明した退院時の様子や、問題のギョーザを1月4日に市保健所に持参した際の担当者の対応について「事実と異なる」と訴えている。
市側は2日の会見で、女性の退院時の様子について、市立青葉病院の高橋長裕副院長が「けろっとして帰った。腹痛や吐き気も止まり随分楽になっていた」と説明したが、女性は「下痢や吐き気が治まらず、自力で歩けなかった。帰宅しようと院内を歩いているとき、診察した医師から『何でこんなにだるそうなんだ。不思議だ』と声を掛けられ、それならほかの検査もしてほしいと思った」と振り返る。
女性によると、夫(37)に抱えられるようにして車に乗り、帰宅したという。
さらに市側は、1月4日に保健所を訪れた女性に、担当者が「(ギョーザに何かが混入しているなら)人為的な可能性もあると思う。状況によっては警察に行ってほしい」と話したと説明したが、女性はこれも否定。
女性は「保健所が対応してくれないなら、どこに行けばいいか」と尋ねると、「消費者センターに行っても警察に行っても(こうした問題の)対応の窓口は保健所だ」と説明を受けたという。
女性は「市の姿勢は許せない。事実と異なる説明は悔しい」と話した。これに対し、市生活衛生課は「会見での説明に誤りはない」としている。
会見では、薬物中毒と判明後に保健所の三井良雄食品衛生課長が女性宅に謝罪の電話をした際、「ねぎらいや感謝などの温かい言葉をもらった」と説明。これについても女性は「何の言葉をもって『感謝』と判断したのか理解できない」と話した。
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