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兵役逃れ:サッカー選手たちのとんでもない手法(中)

サッカーに大きな支障がない左肩を集中的に自損

◆同じ病院で手術を受けたことが手がかりに

 容疑者たちの違法行為が摘発されたのは、すべて同じ整形外科の同じ医師から肩の手術を受けていたからだ。これに目を付けた兵務庁が昨年9月、検察に捜査を依頼したことから問題が明るみになった。

 4級か5級の判定を受けるには肩の脱臼だけでは不十分で、関節腔の手術を受けた後、兵士用診断書が必要となる。一般的に別の病院では、肩が脱臼しても症状がそれほどひどくなければリハビリを勧められるという。しかし医師のユン容疑者は、軽い脱臼でも直ちに手術を行い診断書を作成していた、と検察は明らかにした。このような話がサッカー選手たちの間で広まり、選手たちがこの病院に集まり始めたというわけだ。

 ユン容疑者は脱臼の程度が軽い場合、自ら直接腕を引っ張ってレントゲン撮影を行ったりもした。ユン容疑者が選手から手術費用などの名目で受け取ったのは総額2億4100万ウォン(約2700万円)。一人当たりおよそ200万ウォン(約23万円)から300万ウォン(約34万円)を受け取っていた計算になる、と検察は明らかにした。

 検察はこれらの選手たちのリストを兵務庁に通知し、再び詳しい身体検査を行う方針だ。

◆血圧を引き上げて免除を狙った事例も

 この事件とは別に、ソウル中央地方検察庁ハイテク犯罪捜査部も同日、2006年7月から1年以上にわたりインターネット上で兵役相談サイトを開設して現役兵対象者を募集し、金を受け取って高血圧を偽装する手法などを教えていた大学生のキム某容疑者(26)ら3人を在宅起訴した。また、キム容疑者らを通じて4級や5級判定を受けた16人も在宅起訴された。この中には実業団に所属するサッカー選手一人も含まれていたが、この選手は血圧測定の際に上腕二頭筋と下腹に力を入れて血圧を測定し、高血圧と診断され兵役免除の判定を受けたものの、再検査で血圧が正常なことが明らかになり、現役判定を受けたという。

 これについて兵務庁関係者は、「昨年10月から血圧測定の際に筋肉の状態をチェックする筋電図検査も同時に行っており、今はこのような手法は通用しない」と述べた。

崔源奎(チェ・ウォンギュ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報JNS
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