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【溶けゆく日本人】蔓延するミーイズム(1)キレる大人たち 増え続ける“暴走” (3/4ページ)

2008.2.4 08:08
このニュースのトピックス溶けゆく日本人
社員証、家族の写真…。日本民営鉄道協会は「大切なもの」に気づかせるポスターで、暴力行為の防止を訴える社員証、家族の写真…。日本民営鉄道協会は「大切なもの」に気づかせるポスターで、暴力行為の防止を訴える

 昨年1年間に救急現場で隊員が暴行を加えられた傷害件数は、統計を取り始めた平成元年以降で最多の24件に上った。救急指導課の竹内栄一係長は「助けようとした相手に暴力を振るわれるようでは、救急隊員の使命感がそがれかねない」と困惑する。

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 不特定多数の人が交差する都心部の駅。頻発する乗客の暴力行為から駅員の身を守る取り組みが進む。ポケットサイズの「お客様応対ハンドブック」。日本民営鉄道協会が2年前に作製した接遇マニュアルだ。

 冊子の大半を占めるのが危険予知シート。けんかの仲裁や迷惑行為の注意など、トラブルが起きやすい状況をイラスト入りで説明、どんな危険が潜んでいるのかを明らかにする。対応法も「複数人で対応」「(客の)手・足の動きに注意する」「酩酊者には背中を見せない」など、非常に細かく具体的に記されている。

 同協会労務部の小松慎太郎さんによると、駆け込み乗車の直前でドアがしまったことに腹を立て、車掌の顔めがけて傘を振り回したり、携帯電話を車内に忘れたという男性に対応した駅係員が、興奮した男性にいきなり窓口にあった電話機を投げつけられた…などの事例が実際にあったという。「加害者の大半は酔客だが、理由もはっきりせず突然暴行を受ける例もあり、被害の程度は深刻化している。従業員の安全を守る具体策が必要だった」とマニュアル作製の経緯を説明する。

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 東京・高田馬場の日本心理相談研究所。所長で、心理コンサルタントの河田俊男さんが中高年層を中心にキレやすい大人が増えてきたと感じるのはここ10年。雇用の先行きに不透明感が漂い、情報ツールが急速に普及した時期と重なる。河田さんは「メールなどで即座に回答を求められる機会が増え、仕事の評価も成果主義に変わる。ストレスが蓄積しやすくなる一方で、会社には余裕がなくなり、発散する機会は減っている」と指摘、職場などでため込んだストレスを公共空間で爆発させる構図を浮かべる。

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