道路特定財源の暫定税率が3月に廃止された場合、地方分として減収になる9064億円の都道府県別(市町村分も含む)の内訳が22日、総務省の試算で明らかになった。最高額は北海道の578億円、最低額は鳥取県の52億円。財政規模が小さい自治体ほど、影響が大きくなる傾向にある。
暫定税率の廃止を訴える民主党は、こうした減収分を国直轄事業の地方負担金の減額や、地方が本当に必要な道路を造ることで圧縮すると主張しており、現行の暫定税率維持を求める政府や自治体と対立している。
試算は08年度の地方財政計画に計上された道路特定財源の暫定税率分9064億円について、06年度決算の都道府県ごとの割合で案分したもの。減収額の目安となるよう総務省が試算した。各自治体が独自に積み上げた額とは食い違いがある。
北海道(道分390億円、市町村分188億円)に次いで減収幅が大きいのは愛知の563億円(県分385億円、市町村分178億円)で、東京505億円、埼玉415億円、大阪393億円などが続く。
05年度税収(地方税と地方譲与税)に占める割合は、北海道が6.5%なのに対し、東京は0.6%、愛知は3.4%。減収額が少ないのは鳥取、高知、和歌山などだが、税収総額に占める割合は5~7%と、大都市圏の都府県より高い。
暫定税率分は本来、地方の道路整備に充てられるが、これだけでは足りず一般財源や地方債を充てている。総務省によると、道路事業の借金返済分は06年度決算では都道府県で2兆1000億円、市町村で1兆3000億円。減収のまま道路整備の水準を維持するには福祉や教育費の削減が必要だと説明している。【七井辰男】
毎日新聞 2008年1月23日 2時30分