スキー場で７人下山せず　朝から捜索　広島・安芸太田

　４日午前０時ごろ、広島県安芸太田町横川の恐羅漢（おそらかん）スキー場から、「山頂へ向かった男性７人が戻ってこない」と山県（やまがた）署に連絡があった。７人はスノーボードをしに行ったらしい。県警や地元消防団の計約８０人が４日午前８時前後に捜索を始めた。安芸太田町役場によると、同日午前９時現在、現場の天候は雪で、新雪がかなり積もっており捜索は難航しそうだ。

現場の説明を受ける捜索隊員たち＝４日午前８時、広島県安芸太田町で

恐羅漢スキー場

恐羅漢スキー場

　国設恐羅漢スキー場によると、７人は３０〜４０歳代で、山口県在住３人、広島県在住３人、北九州市在住１人とみられる。このうち５人は同スキー場の常連客で知人同士。スノーボード歴は長いとみられるという。２人は同スキー場の臨時職員。

　同署や同スキー場関係者によると、客の５人は３日午前１０時半ごろ、リフトを終点で降りて山頂（１３４６．４メートル）方面へ向かうのを別の客が目撃した。その後午後０時半〜同１時半ごろに臨時職員の２人が山頂付近へ向かったという。

　午後３時半ごろ、ふもとにいた客が臨時職員の１人に携帯電話をかけたところ臨時職員は「今から歩いて下山する」と話したという。

　同日午後６時に臨時職員の１人の妻から同スキー場に「夫が帰ってこない」と連絡があった。従業員らが捜したが見つからず、携帯電話もつながらないため同署に通報した。山頂付近は山スキーを楽しむ人も多く、スキーヤーの立ち入りは規制されていなかった。

　地元の消防団長によると、７人は登山するような装備ではなく、出発前に午後６時までに帰るといっていたという。捜索隊は恐羅漢山頂上付近から下りるルートと、南側の水越峠登山口付近から上るルートの二手に分かれて捜している。山頂から誤って島根県側に下りた可能性もあり、捜索の範囲を広げることも検討している。

　同スキー場によると、３日午後５時半現在で、約１２５センチの積雪があり、気温は０度だったという。地元の山荘経営者によると、スキー場付近は３日午前中から正午すぎごろにかけては晴れ間が広がっていたが、午後から雪が降ったりやんだりする状態。午後５時ごろから、降雪が激しくなったという。

　恐羅漢山は広島と島根の両県境にまたがる両県の最高峰。恐羅漢スキー場は国設と民営のゲレンデに分かれている。

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