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中医協・土田会長が裁定 診療所の再診料「引き下げ見送り」
外来管理加算は見直し、デジタル映像化処理加算は廃止

2008.2.1

 中医協の土田武史会長は30日の総会で、次期診療報酬改定で最大の懸案だった「診療所の再診料の引き下げ」について、「今回は手を付けない」と明言し、引き下げを見送る裁定を下した。残る懸案の「外来管理加算の見直し」「デジタル映像化処理加算の廃止」の2点は実施することとした。

● 初再診料は2010年度改定で見直し

 再診料引き下げを見送る理由として土田会長は、<1>軽微な処置の包括化によって、再診料は実質的に2点引き下げとなる<2>外来管理加算の見直しによって、再診料の引き下げと同様の効果がある―などの点を挙げた。ただ、「初診料と再診料の在り方は基礎から見直しを行いたい」とも述べ、次々回の2010年度改定で初再診料体系の基本的な見直しを行うこととした。

 土田会長はさらに、「外来管理加算は再診料の50%に付いている。しかし内容が必ずしも明確ではない。患者に対して十分な説明がない場合にも算定されていた。これには手を付ける。実質的な再診料の引き下げにつながる」と指摘した。

 ただ、「5分要件」の導入については、各側ともに反対を主張していることから、厚生労働省は「5分以上」という時間だけで制約するのではなく、実施すべき内容を明確化するなど、十分な時間をかけなければ算定できないような工夫を図る。

 このほか土田会長の裁定によって、<1>病院(200床未満)の再診料の引き上げ<2>デジタル処理加算は経過措置について慎重に対応する<3>後期高齢者の初診料引き上げと、再診料引き下げも見送る<4>後期高齢者の外来管理加算については診療所(現在57点)を5点下げ、病院(同47点)を5点上げることで52点に統一する―なども決まった。

● 急性期300床病院は「5000万円の増収」

 厚労省は30日の中医協総会に、病院勤務医対策に1500億円の財源が必要との試算を示した。

 内訳は「ハイリスク妊産婦、救急搬送の評価」に150億円弱、「小児専門病院の評価」に50億円強、「入院に特化する中核病院の評価」に150億円弱、「医療クラークの配置」に350億円強、「手術などの適正評価」に約600億円、安全対策や院内検査などで250億円強とした。財源は医科本体のプラス分で1000億円強、外来管理加算の見直しとデジタル加算の廃止で200億円強、検査判断料の引き下げと「軽微な処置」包括化で200億円強を工面する。

 厚労省の概算では診療所から病院への今回の財源移転で、300床の急性期病院で年間5000万円の収入増となり、診療所は1施設当たり年間50万円の収入減となる。



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