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条件違反の米産牛肉が流通 厚労省、業者に回収指示 '08/1/13

 厚生労働省と農林水産省は十二日、米国から輸入された牛肉などの中に、生後二十カ月以下とする輸入条件に違反する牛肉が混入していたと発表した。米政府からの連絡で発覚した。両省は出荷した米国の施設からの輸入手続きを当面停止。厚労省は関係自治体を通じ、該当する牛肉と牛タンを輸入していた業者二社に対し、販売中止と回収を指示した。

 牛海綿状脳症(BSE)の感染にかかわりがあるとされる特定危険部位は含まれていない。

 米国産牛肉の輸入条件違反が見つかったのは、二〇〇六年の輸入再開以来六例目だが、違反牛肉が消費者に販売された可能性があるのは初めて。

 牛肉を出荷したのは米スミスフィールド社モイヤーパッキング工場(ペンシルベニア州)。昨年十一月十四日以降に処理された牛のうち、生後二十一カ月の牛の肉など約一・三トンを日本に輸出していたことが、米農務省の査察で分かった。月齢を判定するコンピューターのプログラムで「二十一カ月未満」とするところを「二十一カ月以下」としたことが原因という。

 厚労省は違反牛肉の危険性について「生後二十一カ月の牛がBSEに感染している可能性は極めて低く、食べても健康に問題が生じるとは考えがたい」としている。

 厚労省が販売中止と回収を指示したのは、丸大食品(大阪府高槻市)とシンワオックス(大阪市)の二社。両社は違反牛肉が混入した恐れのある計十七トン(うち牛タン計〇・六トン)を輸入したが、約半分は既に市場に出回ったとみられている。




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