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歴史的寒波、影響は1億人超に 温首相も動く 中国

2008年01月30日19時55分

 中国の中南部を襲った歴史的な寒波で中国政府は30日、影響を被った人が1億人を超えたことを明らかにした。旧正月(2月7日=春節)の帰省ラッシュを直撃した災害に政府は危機感を強め、温家宝(ウェン・チアパオ)首相を湖南、広東両省に急派した。石炭が運べず、火力発電所が広範囲で停止。日系企業にも影響が出ている。

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中国・貴州省の貴陽駅で27日、大雪の影響で遅れた列車を駅の外で待つ旅行者=AP

 胡錦濤(フー・チンタオ)主席は29日、輸送と発電の復旧に全力を挙げるよう指示。温首相は同日朝、被害が大きい湖南省の長沙駅で帰省客に「復旧にそれほど時間はかからない。家で年越しできる」と拡声機で励ました。

 30日は広州市の農産物市場で販売員に「値上がりしていませんか」と質問した。白菜は数日で7割上昇、羊肉も2日で5割値上がりしている。

 その直前に訪ねた広州駅周辺では80万人が足止め。当局は出稼ぎ労働者2600万人に、「帰省せず、広東で年越しを」と呼び掛ける一方、「足止め客に宿舎と食事を確保する」と強調。上海市、福建省なども同様の状況だ。

 上海では30日まで6日間連続で雪が降った。空の便は国際、国内線で計1000便以上が欠航、遅延。長距離列車も連日50〜60本が運休か遅延している。主な高速道も閉鎖、上海は一時「陸の孤島」状態になった。

 上海駅前では29日午後、暖かい構内に入ろうとする客と警官がもみ合いに。店員、孫海蓉さん(16)は「上海のアパートを引き払ったので列車に乗れないと泊まる場所もない」と話した。

 日系企業が集中する江蘇省無錫市などでは、発電用の石炭不足による電力供給カットで工場の生産に支障が出た。広州でも、部品が届かず、日系乗用車メーカー3社に影響が出ている。

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