|
|
|
社会|スポーツ| |
文字サイズ:
大|中|標準
|
話題
北方領土 政府の資料と国土地理院で山の高さ食い違い 最高峰の逆転も
|
総務省資料による北方4島の山の標高 |
【根室】北方領土の山の標高が、政府の資料と、学校などで使われる国土地理院発行の地図との間で、最大七十メートル近く異なっている。政府の一部の資料はロシアの地図を参考に作成しているためで、択捉島では最高峰の逆転もあった。少なくとも一九九八年以降、こうした状態が続き、領土返還運動関係者からは「誤解を生まないような説明が必要」という声が出ている。
最も差が大きいのは、択捉島南西部の西単冠(にしひとかっぷ)山。国土地理院の地図は一、五六六メートルだが、九八年に総務庁(当時)が発行した資料「北方四島の概況」では一、六三四メートルと六十八メートル高い。逆に従来、択捉島の最高峰とされてきた同島中央部の散布(ちりっぷ)山は一、五八五メートルと、国土地理院の地図の一、五八七メートルより二メートル低い。
国後島の爺々(ちゃちゃ)岳が国土地理院の地図では一、八二二メートルなのに、政府の資料では一、八一九メートルなど、ほかの山でも数メートル違う。
領土問題のPRを担当する内閣府によると、総務庁の資料の標高が違うのは、ロシアの地図を参考にしたため。道のホームページ(HP)も「北方領土の自然(詳細版)」のサイトで一月までは総務庁の資料を引用していた。また、内閣府が昨年、北方領土問題の担当職員用に作成した資料「北方四島の現状」には、ロシア側の地図の数字と国土地理院の数字が混在している。
日ロの標高の違いは、測量方法などが原因とみられる。国土地理院の地図は、旧陸軍陸地測量部が戦前に測量した三角点の高さを記している。ただ、三角点は山の最高点にないこともあり、西単冠山の地図には一、六二○メートルまでの等高線が引かれている。一方、ロシア側は最高点を測量しているようだ。
山の標高の混乱について、元島民団体の千島歯舞諸島居住者連盟の鈴木寛和副理事長(根室市在住)は「日ロの係争地である北方四島にロシア側の数字を使うのは好ましくない。日本側が測量し直す機会を得るまでは、国土地理院の数字にすべきだ」と話す。
一方、北大地震火山研究観測センターの笠原稔教授(地震学)は、日ロの地図の等高線などを比較し、「ロシア側の地図は実際の頂上の高さをほぼ正確に示しているとみられ、使っても問題ない」と指摘。小中学校の地図帳の数字が各社とも国土地理院の地図に基づいている点には「国土地理院の地図が作られた経緯を子供たちにきちんと説明することで、より理解が深まる」と言う。
内閣府は「ロシア側の数字が正確かどうかは分からないので、一般向け資料では国土地理院の数字に統一する方向で検討する」(北方対策本部)と言う。道も「誤解を与えないようにHPを修正したい」(北方領土対策本部)とし、問題のサイトは二日現在、閲覧できなくなっている。
棒鮨本舗「北からソーラン寿司」 | |
|
25年間の鮨店経験を生かした、北海道ならではのニシン棒寿司。しっとりした肉厚のニシンと、プリっとした数の子の食感が絶妙。【3本】3400円 |