Print this Post Article Lists Back

韓銀の金庫にはどれだけの現金があるのか

 韓国のすべての銀行に現金を供給する韓国銀行は、どこに現金を保管しているのだろうか。

 韓銀の現金保管場所は、ソウル市中区南大門路3街にある本店と、全国16の支店の地下金庫だ。韓銀本店の金庫の門は鋼鉄製で、厚さは大人の腕2本ほどにもなる。健康な成人男性でも一人で開けることができないほどだ。

 ドアにはダイヤル二つが設置されており、それぞれのパスワードを別の担当者が記憶しているため、二人が同席しない限り金庫を開けることはできない。金庫は2重のコンクリートで覆われており、コンクリートの壁には保安装置が設置されている。入口では完全武装した警察官が24時間警戒に当たっている。金庫内は適度な湿度と温度を維持するための空調設備が作動している。職員が毎日金庫の残額を確認し、毎年2回ずつ10人以上の職員が1週間かけて現金を数え、帳簿上の額と一致するかを調べている。

 韓銀の金庫に保管されている現金は数兆ウォン(1兆ウォン=約1100億円)台とされているが、正確な額は機密事項だ。一般の銀行が必要な現金を韓銀に要請すると、現金輸送車が来て預かり、該当の銀行に供給される。現金の束は大人の背丈よりも高く積み上げられていることから、フォークリフトで運ばなければならない。なお、旧正月前に1回、現金の束が積み上げられた現場が一般に公開される。

 このように徹底して監視されている韓銀の金庫も、1度破られたことがある。韓国戦争(朝鮮戦争)当時、金庫のカギを保管していた韓銀発券局長が人民軍兵士に捕えられたことから、韓銀が保管していた莫大な現金が人民軍の手に渡ったのだ。その後人民軍がこの現金を流通させたことからインフレが起こり、社会が一時混乱に陥った。

崔炯碩(チェ・ヒョンソク)記者

朝鮮日報/朝鮮日報JNS
このページのトップに戻る