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【社会】がん早期発見 人間並みに 犬猫にPET診断OK2008年2月2日 夕刊 農林水産省は、人間ではがんの早期発見の手段になっている陽電子放射断層撮影装置(PET)による診断を、犬と猫にも実施可能にする方針を決めた。5月までに、必要な放射性の医薬品が使えるよう獣医療法の施行規則を改正する。 PETを使ったがん検診を受けるには、少なくとも10万円近くかかるとみられるが、ペットが身近になるにつれて人間同様の高度医療の適用を求める声が高まっているのを受けた措置。感染症が減り、ペットが長生きになってがんが増えていることも背景にある。 これまで犬、猫のPETによる検査は、放射性物質を使う法的な根拠がないため獣医療界が自制していたが、文部科学省の放射線審議会が先月、動物の種類や入院期間などに条件を付けて認める答申をした。 答申は放射性物質のフッ素18をがんの標識薬とするPETの診断を犬、猫で容認。周囲の人間の被ばくを考慮し、標識薬の投与後、24時間は退院させないとした。 欧米では競走馬の疲労骨折の発見に使われている、放射性のテクネチウム99mを標識薬とするシンチグラフィー検査も馬と犬、猫で認める。 農水省の2006年の調査では、獣医師系の16大学のうち10大学が、法が整備されればPET導入を検討すると回答している。今夏の稼働を目指している北里大動物病院(青森県十和田市)が、最初の導入施設となる見通し。 伊藤伸彦北里大教授(獣医放射線学)は「早期発見し、早期治療につなげたい」と話している。 ■ペット事情に詳しい犬の専門誌「月刊Wan」(緑書房)の佐藤啓一郎編集長の話 ペットの“家族化”が進んでおり、飼い主は人間に対してできるのと同程度の医療を求めていく傾向にある。PETはまだ認知度が低いが、安全性が確立し、飼い主に手の届く利用料が設定されれば、診断してほしいというニーズはあるだろう。 【陽電子放射断層撮影装置(PET)】 増殖中のがん細胞がブドウ糖を活発に取り込むことに着目。ブドウ糖に標識となる放射性同位元素(RI)を付けた薬剤を静脈注射し、一定時間がたった後、体内から出るガンマ線を特殊カメラで撮影すると、RIが集まっている個所が画像で分かる仕組み。日本核医学会PET核医学分科会によると、人間用のPETは現在、全国の179施設にあるという。
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