ギョーザ被害、相談・分析…息もつけず――自治体、週末も休み返上

 
              
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ギョーザ被害、相談・分析…息もつけず――自治体、週末も休み返上

2008/02/02配信

臨時電話相談窓口で、消費者からの問い合わせに答える西宮市保健所の職員(2日午前、兵庫県西宮市)
臨時電話相談窓口で、消費者からの問い合わせに答える西宮市保健所の職員(2日午前、兵庫県西宮市)

中国製の冷凍ギョーザに対する不安が高まる中、食品メーカーや輸入業者が残留農薬をチェックする簡易検査キットを購入したり、検査機関に問い合わせたりする動きが出ている。原因が分かっていないだけに国産の冷凍ギョーザや中国産製品全体までも敬遠されかねない事態に、消費者に少しでも安心してもらいたい関係者の苦しい胸中が垣間見える。

 米国製の残留農薬検査キットを輸入するアヅマックス(千葉県市原市)には1日までに加工食品メーカーなど十数社から問い合わせがあり、うち7社が購入を決定。1度に3セットを購入するメーカーもあり、在庫が足りなくなって急きょ米国から取り寄せる。

 キットは、加工食品を薬品で溶かし、プラスチック製の小型板に載せた酵素と反応させて残留農薬の有無を確認する仕組み。水溶液1リットル中にメタミドホスが4ミリグラム以上含まれていれば判定できる。検査は約10分で済むといい、「検査機関に依頼する前に、緊急で安全を確認したい食品メーカーが購入している」(同社)という。

 「メタミドホスを検査できますか」。食品の残留農薬などを検査する財団法人「食品環境検査協会」の神戸事業所(神戸市中央区)に31日、中国産ウナギのかば焼きを扱う食品会社から問い合わせがあった。これまでメタミドホスに絞った検査の依頼はほとんどなかったが、この日だけで問い合わせは5件。

 神戸市の別の検査機関の担当者も同日、普段はめったにない農薬に関する質問を5件受けた。輸入品だけでなく国産のギョーザを販売する業者らが「加工品の検査は何日ぐらいで結果が出るのですか?」と不安そうに尋ねたという。担当者は「ある程度、問い合わせが増えると予想していたが……」と、業者の窮状を推しはかる。

 検査対象が野菜ならば表面に付着した農薬の成分や濃度を調べれば済むが、加工食品は食品添加物など農薬以外の成分も混ざるため検査に手間がかかり、費用は数万円が一般的という。

 同様の相談が10件以上寄せられた財団法人「日本食品分析センター」大阪支所(大阪府吹田市)では、通常、判明まで2、3週間かかるメタミドホスの検査期間の短縮を検討。担当者は「人命にかかわるので、速やかに結果を出したい」と話している。
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