【ペシャワールIPS=アシュファク・ユスザイ、1月24日】
11月22日、パキスタン北西辺境州(NWFP)にある「カイバル教育病院」(KTH)に鳥インフルエンザの症状を呈する家畜監視員(28)が収容され、同日死亡した。その直後、彼の弟(22)が同様の症状で4日前に死亡している事実が判明し、地域、保険担当者に戦慄が走った。
12月28日、世界保健機構(WHO)は、人から人への感染の可能性もあるとしたが、1月3日には予備リスク評価の結果、その証拠は発見されなかったと発表した。
その間、KTHには家畜監視員の3人の兄弟、1人の従兄が収容され、いずれもH5N1型ウィルスの存在が確認された。
パキスタン保健省は当初、市民の不安、メッカ巡礼への影響を恐れて国立保健研究所の警告にも拘わらず、緊急対策に二の足を踏んでいたが、現在は警戒令を発し、地域の医師/保険員の対鳥インフルエンザ訓練を開始している。
WHOのサイード・アクバル・カーン博士によると、WHOは現在保健省と協力し、6件、3件の症例が報告されたペシャワールとアボッタバードに調査チームの設立準備を行っているという。またWHOは、これら病院に予算50万ドルで特別病棟を建設することに合意したという。
WHOは、感染が広がれば人口の35パーセントが危険に晒され、数千人の死亡者が出るとして、NWPFの保健/農業担当所長に対し協力体制を敷くよう指導した。(同地域では、全病院を合わせ約9千のベッドしかない)
ペシャワール、アボッタバードでは20万羽の鶏が処分されている。全国の養鶏所の85パーセントを占めるNWFPの当局は、鳥の販売所を特定する、住宅街での養鶏を禁止する、鳥解体の際の残存物は深く掘った溝に埋めるなどを盛り込んだ法律の制定を急いでいる。しかし、養鶏所への保障に200万ドルを要したといわれる地方政府の財政は厳しい状況となっている。パキスタンの鳥インフルエンザについて報告する。(原文へ)
翻訳/サマリー=山口ひろみ(Diplomatt)/(IPS Japan 浅霧勝浩)
IPS関連ヘッドラインサマリー:
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ビルマ:鳥インフルエンザ啓蒙活動が成果
無防備なまま鳥インフルエンザに見舞われたインド
(IPSJapan)
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ペシャワールIPSのアシュファク・ユスザイより、パキスタンの鳥インフルエンザについて報告したIPS記事。( IPS Japan 浅霧勝浩)
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