診療体制の縮小から新規入院の受け入れも休止することになった小城市民病院

診療体制の縮小から新規入院の受け入れも休止することになった小城市民病院

 小城市の小城市民病院(佐藤彬院長)が、内科医2人の退職に伴い診療体制の縮小を余儀なくされ、今月から救急患者の受け入れができなくなっていたことが2日、分かった。入院患者の新規受け入れと、夜間・休日診療も今月末で全面的に取りやめる方針。市民からは「緊急時の医療はどうなるのか」などの不安の声が相次いでいる。

 同病院は99床で、内科のほかに外科、産婦人科などを備えた地域の基幹病院。同病院によると、内科は6人体制で午前・午後の外来診療などに当たってきた。

 しかし、昨年末に2人の内科医が開業や転職を理由に退職し、残る医師の負担が増えた。宿直体制の維持も困難になったため、1月末に更新時期を迎えていた救急病院の県指定を見送ることにした。ただ、かかりつけの患者の場合は今月末まで例外的に受け入れる。

 また、現在の入院患者へのケアや安全確保を優先するため、内科外来を午前に限定し、新規入院は他院の紹介などで対応する方針という。

 同市内の救急指定機関は、ほかに民間病院の1つだけで、小城消防署は「市外への搬送が増えるかもしれない」。入院中の祖母の見舞いに訪れていた女性(26)は「医師が減るのは仕方ないけれど、救急医療がどうなるのか不安です」と話した。

 同病院の田中博起事務長は「大学医局からの医師の派遣が難しくなっている。佐賀大には前向きに検討してもらっているが、医師確保のめどは立っていない」と説明。今月5日の市報で市民に経過を説明するという。

=2008/02/03付 西日本新聞朝刊=