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医療確保を県民へ訴え 広島の医師減少で県など結束 '08/2/2

 ▽診療態勢の維持に力、受診側も意識改革を

 広島県と県医師会、広島大など五団体のトップが一日、県庁で記者会見し、地域の医療態勢を確保する施策への理解と協力を県民に訴える緊急アピールを発表した。行政と地元医師会、大学による共同のアピールは全国初の試みで、県民に医療機関の適切な受診などを求めた。

 藤田雄山知事、碓井静照県医師会長、浅原利正広島大学長、県市長会長の吉岡広小路三次市長、県町村会長の佐々木清蔵安芸太田町長の五人。藤田知事は「医師不足にはさまざまな要素が絡んでいる。県民には医療を支える一員としても協力してほしい」と要請した。

 「みんなで守ろう広島県の医療」と題したアピール文は、診療態勢の縮小に追い込まれた医療機関が相次ぎ、庄原市など三市六町には出産できる医療施設がないなどの現状を「各地で必要な医師を確保できず、地域医療に大きな影響が生じ始めた」と指摘。県民に、現状への理解と取り組みへの支援を求めた。

 具体的な対策として、県は市町を強力に支援する▽医療提供者は医師不足の影響を最小限にとどめる▽広島大は県の医療に最善を尽くす人材を育成する▽市町は地域社会の理解と協力を得る態勢づくりをする―とした。診療報酬や医療提供態勢で抜本的な対策を講じるよう、国に強く要望することも盛り込んだ。

 藤田知事は「明日病院に行けばいい場合でも救急車を呼び、夜間や救急医療が過重労働になっている。受診側の意識改革により、医師の負担は軽減される」と県民に呼び掛けた。碓井会長も「医師が診れば、一割しか救急でない場合がある」と述べ、家庭などでの初期対応の重要性を指摘した。(村田拓也)

【写真説明】アピール文を発表する右から佐々木町長、浅原学長、藤田知事、碓井会長、吉岡市長ら




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