国税に狙われる芸能界!
ついに“巨人”の名前も浮上し、さらに……
アイドル王国であるジャニーズ事務所が、ついに国税に狙われた。昨年9月より、ジャニーズ事務所ほか、関連会社数社に対する税務調査および査察が東京国税局によって行われてきたが、その結果、申告漏れが発覚し、東京地検に告発される企業が出てくる可能性があるという。
ライジングプロの巨額脱税事件のほか、モーニング娘。や松山千春、北島三郎の所属事務所などが申告漏れを指摘されてきたように、ここに来て、国税当局は不透明なカネの動きが多いといわれる芸能事務所に矛先を向けている。そんななか、昨年の申告所得が86億円以上に上るジャニーズ事務所が調査対象になるのも、当然といえば当然だ。
この件をいち早く報じた「週刊現代」(6月28日号)によると、当初、国税は、ジャニーズ事務所および関連会社に通常の税務調査として行われた。この段階では、所得隠しなどの違法行為を確認できなかったが、その後、当局は引き続き、同社の取引先への査察(強制捜査)に入ることになる。
国税が査察に入ったのは、ジャニーズ事務所と取引のある「ジェイステーション」「日本広明社」「双葉ネクストワーク」の3社。
ジャニーズ事務所とこの3社を結びつけるのは、莫大な売り上げを誇るジャニーズタレントのグッズだ。全国に5カ所あるジャニーズショップなどでは、デビュー前のジャニーズJr.や、SMAP、TOKIOといった人気グループの関連グッズなどを販売しているが、それらの各店舗はいずれも、客足が途切れることがないほどの人気ぶりだ。
「ジェイステーションがグッズや雑誌を販売し、日本広明社はそれらを企画、双葉ネクストワークが製造しています。この流れのなかで、不透明な支出があるとみて、国税は申告漏れを指摘したようです」(スポーツ紙記者)
申告漏れは、一説によると、3社合わせて10数億円に上るといわれる。今後、国税による告発、および地検による関係者の逮捕が行われてもおかしくない金額だ。
ジャニーズ事務所側は「今回の(査察)問題は、ジャニーズ事務所とは無関係です」(前出「週刊現代」)とコメントしているが、ジェイステーションに関していえば、ジャニーズ事務所の2人の役員が出資者となっている。そのため、単なる取引先ではなく、ジャニーズ事務所の影響下にある関連会社と見る向きもある。はたして、ジャニーズ事務所の責任が問われることはないのだろうか?
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Kinki Kidsのコンサート中止も、今回の申告漏れを生んだ一端に。 |
ところで、この脱税疑惑騒動の裏で、芸能マスコミの間では、ある噂が囁かれている。仮に今回の申告漏れが事実だとすると、注目されるのは、その`裏金aの行方だ。この問題を追跡していたあるマスコミ関係者がこんな情報を話してくれた。
「今回の一件に関連した企業を調べていくと、あの統一教会(世界基督教統一神霊協会)の名前が出てきたんです」
芸能界と宗教団体。いかにも芸能マスコミが喜びそうなテーマだが、ジャニーズ事務所と同団体の間に、どんな関係があるというのか?
「ジャニーズ事務所との直接的な関係には行き着いていませんが、今回、税務調査を受けた関連会社のなかに『クンクン』という会社がありました。ジャニーズ関連のカタログやカレンダーの企画制作を行う会社なのですが、同社の元代表が、統一教会の関係者として名前の挙がっていた人物なんです」
この元代表の名前は井上明子氏。実は彼女は、昭和30年代に活躍した宝塚出身の女優・月丘夢路氏である。月丘氏は、約10年前、霊感商法などについて、統一教会がマスコミから激しい批判を受けていた際も、「芸能界のなかでも、もっとも熱心な信者のひとり」と指摘されていた人物で、統一教会系企業のCMにも出演していた(当時、本人は「教祖の文鮮明と面識もあるが、信者ではない」と否定)。
クンクンの役員には、ジャニーズ事務所の役員も名を連ねている。なぜ、月丘氏が同社の社長に就任していたのかは不明だが、ジャニーズ事務所の副社長であるメリー喜多川氏の夫で作家の故・藤島泰輔氏が、月丘氏と親交が深かったという話もある。藤島氏は韓国と繋がりが深いことで知られ、一時は統一教会の関連政治団体である国際勝共連合との関係も囁かれた。
「さらにクンクンは、数年前まで、今回査察を受けたジェイステーションや日本広明社と同じ新宿のビルに入居していたんです。現在は、3社とも別のビルですが、この関係性が何を意味するのか……」
これだけの情報で、ジャニーズ事務所と統一教会との結びつき、まして裏金の行方を語るのは早計だが、今回の申告漏れが事件化すると、これまで語られることのなかった“ジャニーズ帝国の素顔”が見えてくることになるかもしれない。
(編集部)
(サイゾー2003年8月号掲載)
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