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【中国発-食の不安】

中国製食品 悩む消費者 値上げ時に安価助かるが…

2008年2月1日

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 世界的な穀物価格の上昇や原油高で食品などの値上げが続く中、降ってわいた中国製冷凍ギョーザの農薬混入問題。財布のひもが固くなる一方で、国産品よりも手ごろな中国製品への不信感も強まるばかり。厳しさを増す家計のやりくりに、消費者たちは頭を悩ませている。

 「例えばニンニクなら国産は1個198円が、中国産なら15個前後で同じ値段。中国産のニーズは高い」と話すのは岐阜県多治見、土岐両市で3店舗を経営するオオマツフードの大嶽正紀社長(57)。生協の宅配の冷凍ギョーザも中国産が1個当たり10円なのに対し、国産は13−15円。中国産は1袋40個入りとお値打ち感がある。

 だが、今回の問題で消費者の中国製品離れが加速。名古屋市西区の主婦西村八重子さん(58)は「中国産の方が国産より安く、同じ値段でも量が多かったのでよく買っていたけど、これからは控える。食費は高くなるけど、服とかぜいたく品を抑えて節約するしかない」とあきらめ顔だ。

 ガソリン、灯油は高騰し、小麦や大豆など穀物の取引価格もこの1年で約3割上昇。昨年以降、各食品メーカーは相次いで値上げしている。

 「家計には苦しい。近くへは自転車を使ってガソリン代を節約しているが、食べ物はそうはいかない」。同市港区のスーパーで買い物中の主婦(43)は戸惑いながらも「安く済ませたいけど、安心な物がいい」と国産の冷凍食品を選んでいた。

 愛知県東三河にスーパー6店舗を展開するサンヨネの三浦謙一取締役は「お客さんの要望もあり、安い中国産を置かざるを得ないところもあるが、中国産がすべてダメなわけではない。過剰反応するのは、まじめにやっている中国の人にも迷惑だと思う」と話す。

 農水省によると、輸入野菜に中国が占める割合は安価さを売り物に年々増えてきた。特に生鮮では2002年度(33・0%)と比べ、06年度は13ポイントの大幅増に。ただし、07年度は「段ボール肉まん」などの話題で消費者に買い控えの動きが広がり、前年比で2割前後のマイナスとなる見込みという。同省は「今回の問題で、冷凍も含め輸入量にさらに大きな影響が出る可能性がある」としている。

 ナフコ不二屋楠店(名古屋市北区)の林求店長は「原油高で商品の値段が上がっており、売り上げに影響が出る。中国産を控えても国産が売れるわけではない。あとは国産を小分けにして単価を下げ、買いやすいようにするぐらいしか…」と、対応に苦慮していた。

 

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