「週刊現代」の編集長が交代した。加藤晴之氏から次長の乾智之氏へとバトンタッチされたのだ。加藤氏は、数々のスクープは放って、「週刊現代」の存在感を強烈にアピールし、先日休刊した「ダカーポ」では、「週刊現代がんばれ」という特集まで組まれた。
JR総連とJR東労組、細木数子、朝青龍、赤木徳彦農水相の事務所費問題追及など、停滞気味だった週刊誌ジャーナリズムを活性化させた功績は大きい。そのために、多くの訴訟を抱え、かつての私の記録を大きく塗り替えもした。 誌面をリニューアルし、女性層を取り込むことにも熱心だった。しかし、残念ながら、そうした意欲的な試みも、部数には反映しなかった。だが、加藤「週刊現代」は、50年を超える週刊誌ジャーナリズムの歴史の中に、大きな足跡を残したことは間違いない。 新編集長の乾氏も、私と一緒に仕事をした戦友の一人だ。亡くなったノンフィクション作家の本田靖春さんが、「彼はすばらし編集者だ」と絶賛していたことを思い出す。普段は礼儀正しい好青年だが、一旦、獲物を見つけたときは豹変し、追い詰めるまで容赦しない。彼が「フライデー」にいた時代、どれほど多くのタレントや政治家が、彼の影に怯えたことか。 乾「週刊現代」がどのようのものになるのか、楽しみに見守りたい。 覆面記者が執筆した「年金照合現場」の記事(撮影:Ohmynews編集部) そこで、たどたどしい日本語で道を尋ね、“われわれと同じビル”へ入っていく中国系の若い男女を見かけた。この人たちが社保庁の“国家的プロジェクト”を混乱させ、いなくなってしまったのだ。 「社保庁は、私が目撃した日本語をきちんと話せるかも怪しい中国人をバイトとして雇った。そして、彼らを別室に隔離したうえで、われわれと同じ年金記録の転記作業にあたらせ、その結果、大量の転記ミスを生み出したのだ」 文中で、ミスター年金・長妻昭議員がこういっている。「どれだけの税金をドブに捨てれば、社保庁は気が済むのでしょうか」。 文春で櫻井よしこさんが、ガソリン税を巡る永田町の茶番劇に触れて、「『国民の目にふれないところではお金を使わせない』という意志を示さない限り、政治家と官僚によるムダ遣いははてしなく続く。それをとめるためには、断固として、まず、暫定税率は廃止しなくてはならない。そして、次には、より重要な道路特定財源の一般財源化をする」のだと主張している。 どちらの問題も、国民が本気で怒らないから、政治家や官僚たちは、高をくくって、やるべきことをやらないのだ。加藤「週刊現代」編集長が言い続けたのは、日本人よ、おかしいことには、おかしいと声をあげ、怒ろうではないかということだ。加藤さん、怒り続けてさぞ疲れたことでしょう。少し休んで、怒りのエネルギーを蓄え、再び、“ひ弱な”日本人を叱咤してください。ご苦労様でした。
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