ガソリン税などなぜ暫定税率下げないの
公明新聞:2007年12月29日
安全支える道路整備に充当
自治体にも配分「暫定」分を福祉などに振り分け
党国土交通部会長 高木 陽介 衆院議員
公明、原油高騰対策に全力
【問い】
原油高騰でガソリンや軽油が値上がりし、庶民に大きな負担になっています。なぜ道路特定財源のガソリン税などの暫定税率を下げないのですか?
【答え】
原油高騰のため燃料や食品、運賃など品物やサービスが値上がりし、家計に打撃を与え、産業界にも影響を与えています。ご質問の自動車のガソリンや軽油の価格も急騰しています。
公明党は、これは非常に深刻な問題であると認識しており、党内に原油高騰問題緊急対策本部を設け、国民や関係者から話をお聞きし、それを基に早急な対策を政府に要望してきました。7日の道路特定財源見直しに関する政府与党の会議では、首相を中心とした原油高騰への対策本部を政府内に設けることを提案。それを受けて政府に対策閣僚会議が設けられ、25日には総額2150億円に上る緊急対策をまとめ、灯油やガソリンにかかる費用を助成する“福祉灯油”などの実施を決めました。
その際、公明党の北側幹事長は「今回の対策で終わりではなく、今後も(ガソリンなどを消費する)一般ユーザーなどに対する支援の検討が必要だ」と述べています。このように公明党は原油高騰問題に全力で取り組んでいます。
道路特定財源は2007年度、約5・6兆円。そのうち暫定税率分は半分弱の約2・7兆円です。今回の暫定税率の延長は、今後10年間の道路の中期計画を実現するために必要な財源と位置付けました。
道路は、救急医療や災害時の救援などに必要です。先ごろ、アメリカで老朽化した橋が落ちた大事故がありました。わが国でも全国で橋が15万ありますが、特に市町村道の8割の橋は定期点検が行われていないため、点検、補修を急がなければなりません。このように道路は国民の安全・安心を支える「命の道」です。今回の中期計画では、特に全国の通学路(約19万キロメートル)のうち、歩道のない危険な道路(約4万キロメートル)を整備し、子どもの安全を守ることにもなります。
もし今、暫定税率分がなくなれば、半分になった道路財源では、このような「安全・安心」に十分な道路整備はできないと思います。
このほか、道路財源では、(1)大都市近郊を中心に交通渋滞や環境汚染の原因となっている開かずの踏切解消(2)歩道の段差解消(3)電柱の地中化(4)雪国の除雪(5)高速道路の料金引き下げ――なども行っています。暫定税率が下げられれば、こうした生活に関わる事業は後回しになる可能性があります。
さらに地方の自治体財政にも影響が出ます。暫定税率分の地方税・譲与税は約1兆円。暫定税率分を財源としている交付金が約7000億円。道路財源を基にした国からの補助金なども含めると実に約2兆円に上ります。これは、全国の都道府県と区市町村、約1800自治体の税収の約1割に当たります。
先日ある地方の自治体の副市長がこう述べていました。「道路特定財源の暫定税率分の上乗せがあるから、その分の(自治体)予算を福祉や教育などのサービス充実に振り向けることができる。暫定税率は下げないでほしい」と。
それに日本のガソリン価格はOECD(経済協力開発機構)加盟30カ国中6番目に低く、税負担も6番目に低い状態で、お隣の韓国やEU諸国は1リットル当たり200円以上です。
なお、民主党は道路特定財源を一般財源化し、暫定税率をすべて廃止すると言ってますが、道路特定財源が生活に欠かせない道路の整備に使われていることを考えると、あまりにも無責任で乱暴な話ではないでしょうか。
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