つくばみらい市が配偶者や恋人などによる暴力「ドメスティックバイオレンス(DV)」をテーマにした講演会を中止した問題で、講演会に賛同する上野千鶴子東京大大学院教授や清水澄子元参院議員ら9人が1日、同市を訪れ、飯島善市長あての中止撤回を求める抗議文と約2700人分の署名を提出した。海老原茂市総務部長は講演会実施を検討すると回答した。
上野教授が「(反対派から)抗議を受ければ市はどんな事業でも中止するのか」とただすと、海老原部長は「反対派が会場に入って混乱を招く恐れがあった。(実施を)検討する」と話した。
上野教授は「(中止になれば)どんな公共事業も中止にできるという前例を作ることになる。DV防止法に計り知れない影響がある」と言っている。
市は先月20日に谷和原公民館で平川和子・東京フェミニストセラピィセンター所長の講演を予定していたが、DV防止法に批判的な市民団体の抗議を受け、同16日に中止を決めた。【原田啓之、扇沢秀明】
毎日新聞 2008年2月2日