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憂楽帳:見えない自治体

 「どこに意見書を出せばいいの」「市町村、都道府県……」「広域連合???」。4月からスタートする75歳以上の全高齢者から保険料を徴収する後期高齢者医療制度の見直しをどこに求めるか。ある医療関係者の会合でひとしきり話題になった。

 新制度を運営するのは、全市区町村が参加して都道府県に一つずつ作った「広域連合」だが、耳慣れない。自治体が行政サービスを共同で行うために設置した組織で、地方自治法上はれっきとした「自治体」と言われても、ぴんとこない。議会もあるが、議員は直接選挙で選ばれたわけでもない。

 その広域連合が昨年、保険料に関し住民から意見を募った。だが、回答は「広域連合で判断できることではない」の乱発。形だけの意見募集に、住民が議会にでも駆けつけるかと思ったが、私がのぞいた広域連合議会は傍聴者数人で、驚くほど静かだった。

 広域連合は住民の矢面に立ちたくない市区町村の思惑で作られたとも聞く。誰も責任をとらない仕組みがまた一つ増えたのだろうか。【有田浩子】

毎日新聞 2008年2月2日 11時57分

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