青森市民病院で診察を受けた女児(当時1歳)が死亡したのは医師が適切な診断をしなかったからだとして、東京都杉並区の女児の両親が青森市に約4500万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が1日、青森地裁(斉木教朗裁判長)であった。市側は請求棄却を求めて全面的に争う姿勢を示した。
訴えによると、女児は昨年3月、青森市の母の実家で体調を崩し、市民病院で2回にわたり診察を受けた。この際、担当医師は点滴を指示したうえで「嘔吐(おうと)が治まれば来院する必要はない」と言い、嘔吐止めを処方して帰宅させた。女児は病状が急変し同月26日に多臓器不全で死亡した。
両親は「診察時に感染性胃腸炎であることを疑って治療すべきだったのに、適切な診断や治療をしなかった」と主張。市側は「詳細は事実関係を調査の上、準備書面をもって認否する」との答弁書を提出した。【矢澤秀範】
毎日新聞 2008年2月2日