ホーム > 佐々木かをり対談 win-win
> 第111回 進藤晶子さん

女性の選択シリーズというのを作ったんです
- 佐々木
-
進藤さんは、いつお会いしても、なんかこう、すごく、「私はそんなたいした者じゃありません」みたいな感じのスタンスで、いるでしょう。
- 進藤
-
もう、いつまでたってもたいした者じゃないんですよ(笑)。
- 佐々木
-
そうではなくて、その控えめな、なんでしょうね、テレビ局のメジャーな番組をやってきました、とか、アナウンサー出身です、っていう感じと違う路線を目指しているのかな。
- 進藤
-
それがダメなところなんだと思います。私の欠点。もっと、自信と、余裕を持って、みんなついて来なさい、ぐらいのほうがいいわよ、とよく言われるんですけれど、無理なんですね、性格上。気を遣われるより遣っているほうが楽、みたいです。
- 佐々木
-
でも、自信がないわけじゃないでしょう。
- 進藤
-
これが、あまりないんです(笑)。自分がお仕事でやらせてきたもらったことだけは、まあ、ある程度積み重ねてきているかなと思っているので、そこは、自信を持っていたいと思っていますけれど。
- 佐々木
-
今までの仕事の中で、いい体験として印象に残っていることありますか?
- 進藤
-
いくつかありますが……。TBS時代、入社してからずっと言い続けていたやりたいことがあったんです。有名ではないけれど、市井の中で一生懸命生きている人の姿を私が取材をし、インタビューをし、ナレーションをつけて、何か、見た人の道しるべになるような番組に関わりたいです、とずっと言い続けていて。
で、なぜか、私には一生ご縁がないだろうなと思っていた報道番組に、お声をかけていただいて。報道のTBSの歴史の中では、あまりそういう特集って前例がなかったんです。
だけど、「進藤、お前がやりたいことは何だ」って聞かれたことがきっかけで、女性ディレクターと2人で、女性の選択シリーズというのを作ったんです。
女性にはいろいろな転機があって、結婚・出産・離婚・転職・留学、介護ということもあるかもしれない。受け入れざるを得ないようないろいろな転機があって、そのときに彼女たちは何を考えてそこを乗り切っているのか、背中を押したものは何なのか、ということを、いくつかシリーズにしたんですね。
報道の人たちから新鮮で良かったと言ってもらえましたし、何より私自身、手ごたえというか充実感がありました。ずっとそのビデオは置いてあるんですけれどね。それを一緒に取材した女性ディレクターとも、「同じ釜の飯」というか、今も仲がよくて、あの仕事ができて良かったね、と折に触れて話しています。あのお仕事は、私にとっては財産ですね。
- 佐々木
-
それは当然やりたかったことができた、ということもあるでしょうが、でも、企画から制作まで全部携わったということも、大きかったんでしょうね、きっと。
- 進藤
-
そうですね。「伝えたい」という気持ちがひときわ強かったと思います。
- 佐々木
-
手ごたえというのは、自分の満足感だけでなく、たとえば視聴者からの反応とか、局内の評判とか。
- 進藤
-
はい、もちろんです。テレビや雑誌のお仕事は、自分の満足だけでは、全然。やっぱり見てくださった方が、何を感じてくださったかということ。それが、一番の手ごたえですね。
20/21
|
 |


|