京都府長岡京市と神奈川県相模原市で昨年1月、親族2人を殺害し、現金を奪ったとして、強盗殺人の罪に問われた住所不定、無職、松村恭造被告(26)の論告求刑公判が30日、京都地裁(増田耕児裁判長)であり、検察側は「人間性のかけらもなく更生など不可能」として死刑を求刑した。判決公判は3月17日。
検察側は論告で「被告は金銭に困窮しており、2人を殺害後に家を物色するなど金品強取の目的があった」と指摘。2人が松村被告にこづかいを与えていたことにも触れ、「被告を思う気持ちを利用しており、無差別殺人と同様か、それ以上に悪質」と断罪した。
これに対し、弁護側は最終弁論で「事件の背後には父親らとの葛藤(かっとう)があり、被告人には金品強取の意図も必要性も全くなかった」として強盗殺人罪の成立を否定した。
松村被告は意見陳述で、「事件の最大の原因は自分のエリート意識。自分は特別な存在だから何をやっても構わないとの考えが根底にあった」と説明。事件を起こしたことについて「全く反省していない。遺族を悔しがらせることができてうれしい」などと述べた。
起訴状によると、松村被告は昨年1月16日、長岡京市に住む伯母の岩井順(より)子(こ)さん=当時(57)=を自宅で刃物で刺すなどして殺害し、現金約2万円が入った財布を強奪。同月23日に神奈川県相模原市に住む大叔父の加藤順一さん=同(72)=も殺害し、約1万円入りの財布などを奪った。
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