のこぎりで材木を切る宮本祐貴君
宮本君が大会出場を決めたのは半年前。中学3年の1学期終業式で、技術教諭から参加を呼び掛けられた。同級生からも「一緒に出よう」と誘われ、「受験勉強の息抜きになるなら」と、夏休みから練習を始めた。
幼いころから祖父宅にあった金づちやかんなを触るのが大好きで、木工に強い興味を持っていた宮本君は、めきめき上達。昨年8月下旬の県大会を勝ち抜き、11月下旬に熊本市であった九州大会に出場した。
全国大会に出られるのは、九州大会の上位3人。宮本君は、中学生には難度の高い技術とされる加工法「組み継ぎ」を使ったCD用の棚を作り、見事準優勝。全国大会出場を決めた。
大会には全国7ブロックから計20人が出場。のこぎりやかんななど十数種類の道具を使い、4時間以内に2枚の材木から作品を1点制作する。作品の仕上がりだけでなく、制作態度や道具の使い方、創意工夫などで採点される。
昨年夏までテニス部に所属していた宮本君は、ラケットやボールなどを収納する棚を作る予定。本番を前に、材木の切断やかんながけなどの練習に精を出している。
実は、宮本君には大会前にもう1つの「戦い」がある。22日に控えた私立高入試だ。将来は建築関係の職業に就きたいという宮本君は、建築科を希望している。合格発表は25日。「良い結果を聞いて大会に臨み、悔いが残らないよう頑張りたい」と、意気込んでいる。
=2008/01/10付 西日本新聞朝刊=