中国の食品会社だけに責任をなすりつけて良いのか?


「農薬、相当な高濃度」専門家指摘 ギョーザ中毒問題(朝日新聞) - goo ニュースについて.

 実はこの事件については正月明けから知っていた.ところがマスコミ各社がこの事件を報道しない.なぜかと考えると,大阪府知事選があったからではないかと,今になって思う.(別に陰謀史観ではないが(笑))

 時事通信の報道によると,もともと中国では 2000年ごろからメタミドホスを殺虫剤として田園で使い始め,2002年に中国産冷凍カリフラワーから検出されたとのことである.新華社通信の報道でも,今年1月9日にはメタミドホスは毒性が強すぎるとして,国内での生産・流通・使用を禁止したばかりである。

 逆に言うと,日本の食品会社が流通させて今回の中毒事件に至らしめたメタミドホスまみれの加工食品は,少なくとも今月からはなくなっているはずで,中国側をひたすら責めたところで,向こうも分かっていたことだから,要するに謝るタイミングがずれただけの話である.日本人は中国人のプライドの高さを知らないから,そういう所で一方的に中国叩きへと邁進するのである(笑)

 さらに,中国側の食品工場はほとんどが日本の出資によるもので,日本の加工食品会社が製造・管理をしていると言っても良いだろう.新華社によると工場内の殺虫剤としてメタミドホスが使われていたとの話だから,工場の機械のどこかにメタミドホスが貯まっていたはずだろう.

 そういう時こそ,むしろ日本が HACCP (はさっぷ・米国発祥の衛生管理手法)やISO (いそ・国際標準化機構) に基づく品質管理を徹底して中国に教えるべきではないだろうか.かつて文明を教わった恩を返すことこそ,隣同士の国々の「外交の基本」でなないかと,私は思うのですけど,皆さんはどうお思いになられますでしょうか?
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ちなみに (kaetzchen)
2008-01-31 20:53:43
朝日新聞に掲載された記事の続きを載せておきます.

統合版 (右上に▲ がついた新聞)地域では2月1日に掲載されるかと思いますが.

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 東京聖栄大食品学科の真木俊夫准教授(毒物学)によると、食品を通した有機リン系毒物による健康被害はきわめてまれ。「ギョーザであれば加熱により有害物質はある程度、分解されたはず。それでも重体者が出たことから、相当高濃度だったことが考えられる」と指摘する。

 農林水産省農薬対策室によると、農薬の国際的な安全性評価では、メタミドホスを一度に摂取した場合に健康に大きな影響を与えないとされる上限は体重1キロ当たり0.01ミリグラム。体重60キロの人間だと0.6ミリグラムとなる。

 真木准教授は混入の経緯について「ギョーザの具や皮の原材料に残留農薬があったとしても、ここまでの影響は考えにくい」といい、兵庫県警などの調査でメタミドホスが包装物からも出ていることを挙げ「工場での製造の過程で混入した可能性が高いのではないか」と話す。

 中国内で日本向け加工肉食品を製造している会社経営者によると、メタミドホスは工場内に侵入してくる虫を除去するための殺虫剤で使われることがあり、ギョーザ工場で過って原料に混入した可能性もあるという。


 製造元の天洋食品廠公司の職員は朝日新聞の電話取材に「責任者がいないので、詳しいことはわからない」と述べた。
 
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