【2月1日 AFP】米国人男性の間に痛風患者が激増している理由が、甘味飲料の摂取過多によるものであることが分かった。研究成果が英医学誌ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(British Medical Journal、BMJ)電子版に2日発表された。
研究を主導したのは、カナダ・バンクーバー(Vancouver)にあるブリティッシュコロンビア大学(University of British Columbia)のヒョン・チョイ(Hyon Choi)氏。
研究では、1986年から12年にわたり異例の長期にわたるアンケート調査を実施。5万1000人を超える米豪の歯科医、薬剤師、獣医(いずれも40歳以上の男性)に隔年で、各自の健康状態、体重、投薬の有無、食事などについて回答してもらった。
調査開始時にすでに痛風と診断されていた人や、追跡調査に参加できなかった人を対象から外し、最終的に4万6000人が被験者として残った。
12年間の調査で、新たに痛風の診断を受けた人は755人。アンケートの回答から、甘味飲料の摂取量が多いほど痛風になりやすいことが明らかになった。
■多く飲むほど危険度増大
痛風罹患危険度が最も低かったのが、甘味飲料の摂取が1か月に1回未満の被験者。これらの被験者と比較した場合、1週間に5-6回摂取する被験者は29%、1日1回摂取する被験者は45%、1日2回以上摂取する被験者は85%、それぞれ罹患危険度が高かった。
また、砂糖よりも果糖のほうが罹患危険度を高めること、同じ甘味飲料でもダイエット系なら罹患危険度を高めないことも分かった。
さらに、リンゴやオレンジなど天然果糖を含む果物やフルーツジュースを多量摂取する被験者でも罹患危険度が高かった。ただしこれについては、果物のもたらすメリットとあわせて考える必要があるとしている。
通風は、血液中の尿酸値が過剰になったときに起きる。尿酸が関節で結晶化し、激痛や腫れといった症状を引き起こす。米国内では、甘味飲料の消費量増加に伴い、過去数十年間で患者数が倍増している。(c)AFP
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