中国製冷凍ギョーザによる3件の中毒事件で、1月5日に兵庫県高砂市で親子3人が食べたギョーザのパッケージに小さな穴が開いていたことが兵庫県警の調べで分かった。県警は穴が人為的なものかは不明としており、穴と中毒の原因となった有機リン系殺虫剤「メタミドホス」混入との関連を調べる。
一方、千葉市稲毛区(昨年12月28日)と千葉県市川市(1月22日)の事件では、穴がなかったことが千葉県警の調べで判明。同県警は、メタミドホスは中国国内での製造からこん包過程で混入したとの見方を変えていないが、兵庫県の事件で穴があったことから、慎重に調べを進める。
兵庫県警の調べでは、穴はパッケージの裏側下部に1個あり、縦約1ミリ、幅約3ミリ。ギョーザのトレーにも直径約1ミリの穴が1個開いていた。事件発生直後の目視検査では見つからず、毒物の鑑定作業がほぼ終了したため、パッケージをあらためて精査し、31日夜になって見つかった。一方、兵庫県が事件発生翌日の6日に撮影したパッケージの写真にも穴が写っていた。
千葉県内の2事件については、パッケージは両方とも上部端から約2センチ下にある切り口から、横に一直線に切断され、県警はこの切れ端も押収し、切れ目にも穴が開いていないことを確認した。
一方、県警は千葉市稲毛区で中毒症状が出た母子の吐いた物や未調理のギョーザから、メタミドホスを検出したと発表した。これで、3事件すべてからメタミドホスが検出された。市川市の事件では、新たにパッケージに付着していたギョーザの皮からもメタミドホスが検出された。【斎藤有香、山本太一】
毎日新聞 2008年2月1日 21時43分 (最終更新時間 2月1日 21時45分)