東京都内で07年4~12月に行われた救急搬送のうち、搬送先の決定に30分以上を要したり、医療機関5カ所以上に受け入れを拒否されたケースが、計2万7678件に上ることが分かった。この間の全搬送件数45万8423件の約6%で、20回に1回程度は搬送先の決定が難航した計算だ。
都によると、理由としては、(1)医師が別の診療中や満床で対応できない(2)精神疾患を伴う患者の専門医がいない(3)医療機関が多いため搬送先の照会が多くなる--など。
救急搬送件数は02年の58万8502件から、5年後の06年には62万6543件と6%増加。一方で、重症患者を受け入れる2次救急病院は、374カ所から342カ所と約1割減ったことも明らかになった。
都は1日、東京消防庁や医療機関などと協議会を発足し、搬送体制の見直しに乗り出した。9月をめどに対策に向けた報告をまとめる予定だ。【五味香織】
毎日新聞 2008年2月1日 23時19分