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糸井 |
つまり、さんまさんが
望んでやってることのほとんどは、
ハズレくじをつかんでるという
時間なんじゃないですかね。 |
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さんま |
ああ、はい、はい。 |
糸井 |
動物もののドキュメンタリーを見るのも、
スペインのサッカーを見るのも、
手でこう、くじをつかんで、ハズレを引いて、
何回も何回もハズレを引いて、
やっと当たりを見つけたい、みたいなことで。 |
さんま |
そうそうそうそう。
だからね、宝探しとか好きなんですよ。
オパール探しとか、砂金とか、
すっごい好きですね。
あの、ハズレをつかむ快感というか‥‥。 |
糸井 |
うん、うん。 |
さんま |
はい。いやもう、絶対ぼく、そうですね。
あの、そこを楽しみたいと思って生きてる。 |
糸井 |
はい、はい。 |
さんま |
だから、ダメなのに追い続ける。
さっき出てきた
『ロードランナー』じゃないですけどね、
あれに出てくるコヨーテの生き様に
心打たれたりするのは、そこなんでしょうね。
追いかけて行って、ダメなときのほうが、
やっぱり、楽しいですね。 |
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糸井 |
ハズレのほうこそ愛おしい、みたいな。 |
さんま |
はい。あの、だから、
ギャンブルなんかでも、調子いいときは
もう勝手に(勝ちが)来るんで、
おもしろくないんですよ。 |
糸井 |
ああ、はい。 |
さんま |
ダメなときにどう打つか、っていうほうが、
やっぱり楽しいですね。 |
糸井 |
なるほどね。 |
さんま |
「負けたわ、今日は」って言いながらね、
「‥‥でもほんとうは、
もっと(負け分が)行ってたな」って
思うときのほうが、勝った感があるんですよ。 |
糸井 |
あと、負けたんだけども、
拍手を送りたくなるような手で負けて、
「おまえ、それをやったの?」っていう
ときなんかはうれしいですよね。 |
さんま |
それはありますね。
「あ、こうやったか」っていうね。 |
糸井 |
そうなんですよねぇ。 |
さんま |
だから、競馬なんかでも、
昔の騎手の福永(洋一)さんなんかがね、
人気のない、ダメな馬を、
バーンっと行かすのがすっごい好きでしたね。 |
糸井 |
なんでしょうね、そういうのってね。 |
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さんま |
なんなんでしょうね。
もう、「だめもと」で「いてまえ」が
やっぱり、好きなんですよね。 |
糸井 |
なるほど、なるほど。 |
さんま |
だから、あの、マラソンで、
完走目的で走る人の気持ちは
ぼくにはわからない。 |
糸井 |
勝負だから。 |
さんま |
勝負ですから。
たとえ、5時間くらいかかる人でもね、
「しかけろ」と。 |
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糸井 |
(笑) |
さんま |
競技なら、しかけろと。とにかく。
しかけろというか、あの、
しかけてほしいんですよ。 |
糸井 |
うん(笑)。 |
さんま |
ほんとうに健康のために、
ただ趣味でやってらっしゃる方は別ですよ。
でも、競技に出て、
「1位になったら金メダルですよ」
っていうなら、やっぱりね。 |
糸井 |
しかけろと。 |
さんま |
そういうほうが、
マラソンがおもしろくなるなぁと
思いますね。 |
糸井 |
しかけてハズレてもいいから。 |
さんま |
そうなんですよ。 |
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(続きます) |