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労災:過労でうつ自殺のプログラマー、審査会で逆転認定

 大手IT企業「日本ヒューレット・パッカード」(東京都千代田区)のプログラマーだった男性(当時31歳)が過労によるうつ病を発症し02年に自殺したのは労災だとする男性の父親(67)の請求に対し、労働保険審査会は労災を認定した。父親の代理人弁護士が31日発表した。遺族の請求を以前に審査した新宿労働基準監督署と東京労働者災害補償保険審査官の不支給処分を取り消し、労災認定が確定した。審査会での逆転認定は年間数例という。

 請求などによると、男性は入社4年目の98年、携帯電話の電子メールサービス開発チームのプロジェクトマネジャーに就任。9~11月の平均残業時間は140時間を超え、うつ病になった。退職から半年後の02年、自宅で向精神薬を大量服用し自殺。男性のパソコンから過労自殺をほのめかす記述を見つけた父親が同年8月、新宿労基署に労災認定を請求した。

 労基署と審査官は「昇進というプラス要素もある」と、自殺と業務の因果関係を否定。しかし、審査会は「入社4年目の社員には精神的に大きな負担で、深夜に及ぶ長時間労働も精神障害を発症させる危険性があった」と男性側の主張を認めた。代理人の尾林芳匡弁護士は「退職後半年の自殺を労災認定するのも珍しく、先駆的事例になる」と話している。【神澤龍二】

毎日新聞 2008年2月1日 1時00分 (最終更新時間 2月1日 13時00分)

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