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【社会】

iPSからの生殖細胞製造禁止 文科省部会が決定

2008年2月1日 20時38分

 文部科学省の生命倫理・安全部会(部会長・笹月健彦国立国際医療センター総長)は1日、多様な組織に成長できる万能性がある、京都大が開発した「人工多能性幹細胞」(iPS細胞)から、精子や卵子など生殖細胞をつくる研究を、当面禁止することで合意した。

 近く、大学などの関係機関に通知する。生殖細胞ができる可能性がある、他の体性幹細胞からの作製も禁止対象とした。

 受精卵を材料にする胚性幹細胞(ES細胞)から生殖細胞をつくる研究は、同省の指針で既に禁止されているため、同様に取り扱うのが妥当と判断した。

 ただし、こうした万能細胞からの生殖細胞づくりは「不妊症の研究に役立つ」との意見もあり、同部会の専門委員会が、指針を見直すべきかどうかを検討しているため、禁止期間は専門委の結論が出るまでの間とした。

 同部会はまた、再生医療研究のため、生殖補助医療で不要になったり、病気で摘出した卵巣から採取したりした卵子を基に、クローン胚をつくることを認めるなどとした作業部会報告書を承認した。

(共同)
 

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