女性のためのフリーペーパー東京パノラマ -pano web-
 

荒川良々
'08年もいい作品、面白い作品に参加したい
とにかく頑張って楽しい充実した時間を作れたらいいな
――『奈緒子』は単行本で33巻、続編の『奈緒子 新たなる疾風』が6巻で計39巻もある同名人気コミックの映画化ですが、原作は読みました?
「はい。原作の奈緒子は優等生でスポーツができて芯が強い、男の人が好きそうな女性像だなと私は思ったんです。でも映画は男性だけじゃなく女性にも観てほしいし、ファミリーでも観てほしかったので、あえて、漫画のテイストのままではやりたくなかったんです。それに、そもそも原作を全部映画化するのは分量的に不可能なので、今回は高校時代の部活の頃の話に終始しているというのもありましたし」
――奈緒子は主役なのに受け身で演じなければならないのが大変でしたね。
「セリフが少ない分、その場の空気や共演している役者さんたちの芝居を感じて奈緒子を作っていく感じでした。表情の微妙な変化とかを大切にしていたというか。だから逆に現場の空気に多少左右されてしまったりもしたので、そこが苦労しましたね。自分も不器用なところがあって、なんでも拾ってしまいがちなので、難しいのはそういうところでの演じ方でしたね」
――ところで、樹里ちゃんにとって、'07年はどんな1年でした?
「ドラマ2本と映画2本をやらせていただいたし、仕事ですがイギリス、フランスと大好きなヨーロッパにも行けたのでいい年でしたよ」
――では'08年はどんな年にしたいですか?
「どうにでもしてほしいです(笑)。とにかくいい作品、面白い作品に参加して、楽しい&充実した時間を作れたらいいなと。人生っていろいろ想像しても絶対にその通りにはいかないし。 逆に今、私が頑張っていれば、その作品を観て“次はこういう役をやったら”と提案してくれる人が出てくるんだと思うんです。だからとにかく頑張っていきたい。'08年は『奈緒子』も含めて、'07年に撮った映画が公開されるので、それを観たお客さんの感想を聞くのも楽しみですね。特に『奈緒子』は“のだめ”のイメージで観に来ていただいたら、驚いてしまうような役どころだと思うので。とにかく楽しんで観ていただけたら、うれしいです」
取材・文/横森文 撮影/今村敏彦
Juri Ueno
1986年5月25日兵庫県生まれ。2003年「ジョゼと虎と魚たち」で映画デビュー、翌年の主演作「スウィングガールズ」で好評を博す。他、代表作にドラマ「のだめカンタービレ」(フジテレビ系)など。’08年の公開映画に「グーグーだって猫である」が。

「奈緒子」
2月16日(土)よりシネ・リーブル池袋ほか全国公開
幼い頃のある事故で、大きなトラウマを負った奈緒子と雄介。高校生になり、駅伝選手を目指す陸上界のエース・雄介と再会した奈緒子は、彼のコーチの勧めもあり、駅伝チームのマネージャーとして夏合宿に参加。2人は合宿を通して互いを理解しあっていく。
監督/古厩智之
出演/上野樹里 三浦春馬 佐津川愛美 嶋田久作 笑福亭鶴瓶(2時間)
©2008「奈緒子」製作委員会