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マグローブ社損害賠償等請求裁判を追う【中】
訴訟にまで発展した、ある「ニセ科学」と、ある「ニセ科学批判」との対立 不特定多数が書き込める掲示板は大学には不要なのか。マグローブ社損害賠償等請求裁判が投げかけたこの問いかけの答えを司法が出すまでの間、そもそもこのような裁判が生じた背景、つまり「ニセ科学」および「ニセ科学批判」を巡るネット上の論争に注目するのは興味深いことです。 実は、現在インターネット上ではニセ科学およびニセ科学批判を巡る論議が活発かつ広範囲に展開されており、このこと自体注目に値します。 しかし今回の「マグローブ社損害賠償等請求裁判」に限って言えば、「ニセ科学」および「ニセ科学批判」の事実関係はしごく簡単明瞭なものです。 事の始まりは数年前にまでさかのぼります。今回裁判の原告である吉岡氏は、自身が明言している通り、数年前に「活水器」のマルチ販売に関わっていたものの、これらの商品は公正取引委員会により宣伝文にある効能の「合理的根拠が認められない」とされて排除命令が出されました。(予備) 今回、吉岡氏は自社「マグローブ社」を立ち上げることによって「磁気活水器」のマルチ販売をしていますが、数年前からこうした流れをお茶の水大の研究室サイト上からウォッチしている今回裁判の参加人である天羽氏は、これらを「ニセ科学」に基づく「ニセ科学」商品と評しました。 これに対し吉岡氏は、天羽氏や同様の「ニセ科学批判」を行なっているkikulogの菊池氏が「科学者としての行動規範を逸脱している」として「ニセ科学批判」批判論を展開し、今日にまで及んでいます。(予備) ではもう少し詳しく、「ニセ科学」と「ニセ科学批判」の事実関係を追ってみましょう。 ■「活水器」は「科学を装い、かつ科学でない」ので「ニセ科学」 天羽氏は自身のブログである「事象の地平線」の中で、「ニセ科学」とは「科学を装い、かつ科学でないもの」という定義を掲げています。 言い換えれば、現代科学でその効能が説明でき証明できると謳っていながら、実は現代科学的には説明も証明もできないものが「ニセ科学」であり「ニセ科学」商品、ということになります。 とはいえ、誤解されまた誤解が助長されさえしている点として注意が必要なのは、この「ニセ科学」の定義や同様の他の定義の中には、「社会的な有害性」や「被害の防止」といった要素が全く含まれていない、ということです。天羽氏をはじめとするそれらの人々は今回、いわゆる「広義の非科学」全体を問題にしているわけでもありません。 天羽氏や他の科学者が問題にしているのはむしろ、「水は変わる」という吉岡氏の主張が、現代科学によって(つまり他の科学者の追試によって)立証され得るようなものではないのに立証されたかのように語られている、という点です。 ■「実業」と「科学」との衝突 一方で吉岡氏は、「実業の世界では、新しいことが起きたことがウソでなければ、そのメカニズムなどを科学的に証明する義務はないし、証明しなければビジネスをしてはいけないなどということもない」とし、天羽氏や菊池氏をはじめとする人々が批判そのものをやめるようにと主張しています。(予備) 簡単な言い方をすれば、「実業」つまり実際に物を販売する側が、現代科学によるお墨付きをいつも得ているわけではないということです。それで科学者の側が「それは現代科学からするとおかしい」と声を上げると、お墨付きの代わりにいわば「ニセ科学」商品というレッテルが貼られることになります。 この、科学者による「ニセ科学」商品認定のレッテルは、ある場合商売の妨げになるかもしれません。そうした場合、物を売ろうとする「実業」と科学的な考察を公にする「科学」との衝突が生じます。 *** こうして今回、「科学的な因果関係は不明」と自ら認める商品に対して、それをその通りに「科学的ではない」と声を上げた科学者の声をせめて大学のサイトから締め出して、「ニセ科学」認定というレッテルの効力を少しでも弱めよう、という裁判が争われています。(予備)(参考) キャプション:Slashdotの当該エントリーにある天羽氏のものと思われるコメントには、今回裁判が「大学を提訴して煩わせることによってコンテンツを閉鎖させるのが目的」とある もちろん今回裁判における吉岡氏の主張は「国立大学が、インターネット上に、誰でも書き込みができる掲示板を持つこと自体が間違っている」(予備)というものです。 しかし吉岡氏自身がその同じ文章内で述べている「浄水器や活水器を製造、販売する会社…に対して、「それはニセ科学だ!」といった形で批判を繰り返し…その中には、間違っていたり、行き過ぎていたりで、営業妨害的な記述もあり…相手が国立大学ということで、多くの会社が泣き寝入りをしてき(た)」という一文は、「なぜ私の自説を認めようとしないのか、なぜ商売の邪魔をするのか」という一種の慟哭のようにも感じられます。 キャプション:吉岡氏のサイトにある、「慟哭」とも取れる今回訴訟の訴状。これが救済を求める弱者からの叫びとみなされるのか、それとも「商売を邪魔されました」という叫びで終わってしまうのか、裁判所の判断が待たれる このような「慟哭」は、あえて発する必要のあるものなのでしょうか。 実際、排除命令が出されたエッチアールディー社は、問題になった商品である「ダイポール」の不当とされた説明文面を改め、何事もなかったかのように商売(いわゆるネットワークビジネスつまり連鎖販売取引)を続けています。「科学」による「ニセ科学」のレッテル張りはこの場合、「実業」と今回事例のような「対立」には至っていません。 キャプション:「排除命令」が出された「ダイボール」の説明文は既に訂正され、そこには今回のように裁判沙汰になるような「実業」と「科学」との対立は認められない 今回、吉岡氏は本件の取材を最終的に断っただけでなく、「記者をクビにし、企画中の記事を中止しなさい。要求します」(予備)と述べました。(参考) これは一体どういうことでしょうか? 今回のこのような事実関係を「報道するな」という、記者(=石川)とオーマイニュースとが直面しなければならなかった執拗な圧力と、取材活動に対するにわかには信じ難いかく乱については、さらに関連記事が掲載される予定です。 なお今回裁判については、「プロバイダ責任制限法で民事責任は限定されても、刑事責任は限定されて」いないため、「(大学に)「不特定多数が書き込める掲示板を置くこと自体がそもそも間違っている」という構成」であれば民事の場合は「認容判決」(つまりおとがめなし)となるかもしれない、という奥村徹弁護士の所見も見られます。 ところでこの裁判の決着がつく前に、関連して生じたもう一つの裁判、つまり天羽氏が起こした裁判を語らずして、今回の「マグローブ社損害賠償等請求裁判」のその全体像を理解することはできません。 天羽氏は今回、一体どのような裁判を起こしたのでしょうか? 次回「マグローブ社損害賠償等請求裁判を追う【下】」で今回裁判の判決を報じる前に、この種の訴訟としては「前代未聞」とも評されるこの対抗訴訟の詳細にスポットを当てる時、大学の研究室のサイトからのニセ科学批判が封じられようとした時に何が起こったのかが明らかにされることになるでしょう。 #重要なお知らせ:2008年1月24日付で、exiteブログにも素でコメントのIP拒否設定機能が実装されました。これに伴い、これまで付けていただいたコメントを確認したところ、室井健亮氏を騙っていると当方が判断した同一IPアドレスによるスパムコメントを全削除しました。どうぞご了承ください。 室井健亮様:貴殿の名を所々で使いながら、なおかつ「非ヤング」や「ふま」といったハンドルを使っていた人物は、当方が責任をもって確認し、アクセス禁止にしました。どうぞご安心ください。この人物は同一IPアドレスでのWikipediaの編集等により、ニセ科学批判に関する情報操作をしようとした疑いがあります。 吉岡様:例の「室井氏」はまず間違いなく、ニセ「室井氏」に違いありません。(予備)どうぞ騙されないでください。 追記分(1/28 2:45): #その後、こちらのエントリーに室井健亮氏ご本人からのトラックバックをいただいたのですが、謎解きのような文面のため、今回のニセ「室井氏」問題の真相は僕には全く分かりません。今回処理したスパムコメントはすべて単一の同一IPアドレスからのものであり、室井氏の名前を使いながら「非ヤング」や「ふま」その他のHNで行なわれたその書き込みは、ひとり室井氏の名誉を損なうものだけでなく、そのニセ「室井氏」の相手をさせられたapj氏と、そのやり取りを真に受けてしまっている吉岡氏とを愚弄する行為であると僕は考えます。 ※この単一の同一IPアドレスによるニセ「室井氏」がどれほど多様なHNを駆使していたかについてはこちらを参考にされてください。 追記分(1/28 19:55): #早速コメントをいただいているようですが、上記スパムコメント騒ぎを鑑み、どうぞご自身の固定HNをお使いになっていただくか、どのブログの管理者なのかをお名乗りください。よろしくお願いします。どちらにしても当該コメントは、天羽様および他の科学者の皆様による「ニセ科学」の定義とは認めがたいものであり、件のスパムコメントやWikipedia編集の際に見られた「ニセ科学の定義の曲解」であると僕は判断します。既に記事の引用元で明確に述べられている定義を無視するような曲解はお慎みください。 追記分(1/31 4:10): #天羽氏の側の裁判が明確になったことを受けて、原稿に若干の訂正を行なっています(青字部分)。 >「ニセ科学」の定義や同様の他の定義の中には、「社会的な有害性」や「被害の防止」といった要素が全く含まれていない、ということです。 > それら科学者たちはいわゆる「広義の非科学」全体を問題にしているわけでもありません。 全く逆でしょ。有害性や被害といった条件を加えれば、ニセ科学(?)の範囲は狭まる。 逆にそういった条件を加えない場合は、ニセ科学(?)の範囲は広がる。 ちょっと考えれば分かることでしょう。 被害や有害性を条件に加えないってことは、「被害や有害性がない物についても批判対象だ」って言っている訳で。 どちらの定義が標準的か、という問題は別として 1.有害性や被害といった条件を加えれば、ニセ科学(?)の範囲は狭まる。 2.逆にそういった条件を加えない場合は、ニセ科学(?)の範囲は広がる。 ということは、お分かりになりますよね。「2の定義の方が標準的である」という意見は 別にあり得るとは思いますよ。 話は変わりますが、「IPアドレス」でスパムかどうかを判断なされるのですか?通常、 それはスパムの判断を機械化するための措置だと思います。スパムかどうかは内容で判断 するものではないのですか?スパムかどうかを内容で判断して、IPと照合したら、同一 IPからのものが多いということが分かった。だから「手間を省くため」そのIPからの 受信を停止するというのが普通だと思います。勿論、お好きにされたらいいと思いますが。 > 科学者の皆様による「ニセ科学」の定義とは認めがたい 大串さんは「ニセ科学」を専門的な科学用語だとお考えなのでしょうか? コメントに深謝です。 申し訳ないのですが、グラムシ様。どちら様なのかが分かりません。もう少し正確に言うと、僕の知る「ニセ科学批判」な方のお一人なのかどうかが分かりません。今回の定義はそれらの方々によるもので、僕はそれを、今回の特化した事例の関連項目としてニュースに含めています。 それで、今回のニュースはメタな論議の紹介ではない、とわざわざ最初に前置きもしています。それは吉岡氏と天羽氏の今回の特化した事例の中では本質的に無関係であり、字数の関係もあり割愛せざるを得ません。 (つづく) (つづき) なおIPアドレス云々ですが、ここで問題となっているのは単一の同一IPアドレスのある人物が「室井氏」を騙っている、ということです。まさか室井氏が「非ヤング」や「ふま」といったHNを駆使しているとは到底考えられない、と僕は考えています。 一方で、内容によりそれを判断するようにというグラムシ様は、まさかニセ「室井氏」その方ではありませんよね? どうぞ、どこのどなたかをきちんとお名のりください。今回はこういう状況になってしまったため、それ以外にグラムシ氏=ニセ「室岡氏」疑惑さえ、晴らす術がないのですから。どうぞよろしくご検討ください。 (つづく) (つづき) #メタな論議を望まれる、または「ニセ科学批判」な方々による定義に異論がある、ということであれば、この度はどうぞお引取りください。私見ですが、それは時間に余裕のある方々にとって論議の題材にはなると思いますが、特定の事例と結びついてニュースとなることは恐らくないのではないかと僕は考えています。 メタ(?)な議論を大串さん自身がお書きになっていますので、その中で私がおかしいと思う部分を指摘しています。 > 「ニセ科学」の定義や同様の他の定義の中には、「社会的な有害性」や「被害の防止」といった要素が全く含まれていない、ということです 以上を標準的な定義として採用されるのも一つの見解であると思います。問題は、この定義からは > それら科学者たちはいわゆる「広義の非科学」全体を問題にしているわけでもありません。 ということには、逆に繋がり難くなると言っています。 例えば 「ニセ科学」の定義には、「社会的な有害性」や「被害」といった要素は必ずしも含まれている訳ではない、ということです。したがって、それら科学者たちは、すべてのニセ科学を問題にしている訳ではありません。ニセ科学の中で批判対象となるものの基準は、個々の批判者によって様々であり、一律の基準はないようです。 などと書き直せば、大串さんの参考になさっているHPの内容により忠実になると思いますが。さらに書き足すと、 「社会的な有害性」は様々ある基準の中で分かりやすいものである、と言えるでしょう。 とでもすれば、より明瞭になると思います。 > ニセ科学」の定義には、「社会的な有害性」や「被害」といった要素は必ずしも含まれている訳ではない、ということです。したがって、それら科学者たちは、すべてのニセ科学を問題にしている訳ではありません。ニセ科学の中で批判対象となるものの基準は、個々の批判者によって様々であり、一律の基準はないようです。 このような定義では、率直で申し訳ないのですが、天羽氏や菊池氏はもちろん、僕の知るニセ科学批判の方々の同意さえ得られないでしょう。 ためしに、僕が天羽氏や菊池氏と「ニセ科学の定義」という点で同じ立ち位置にあると感じている下記の3人の方々のブログに行って、この定義についてをお聞きになってみてください。 http://shibuken.seesaa.net/ http://blog.so-net.ne.jp/schutsengel/ http://seisin-isiki-karada.cocolog-nifty.com/blog/ #次のコメントで、どうぞ論宅様や今話題の竹内様の見解、その他、かの方々以外の方々の定義を持ち出したりしないでください。 (つづく) (つづき) ちなみに、それら個々の方々が各論において独自視点を持っておられることも、既に存じ上げています。それはそれで興味深いのですが、今回記事ではやはり論点がぼやけるだけなので割愛せざるを得ません。 そして繰り返しになりますが、どこのどなたでしょうか? やはりニセ「室井氏」その方ですか? 否定していただけると、こちらもよほど楽なのですが。。。 #その上で、「コメントに深謝です」と僕は言わせてもらいたいのですが。。。 そうそう、拓殖様やそちらの皆様はたしかニセ科学の「社会的な有害性」や「被害」を憂えておられたようにも思うので、そちらの方々に、ニセ科学の異なる定義について同意を求めてみるのもあるいは興味深いのかもしれません。 #そちら方面でまた何か大きなウェーブがあるとかイベントがあるようであれば、別記事になるかもしれません。その時はどうぞお知らせください。この記事の後に取り上げることができます。:) とはいえ、最近話題?のサンタクロース論争?ですか? 広義の非科学云々を持ち出すことは、結局のところ誰の益にもならないと思います。 定義の問題: 「ニセ科学」の定義には、「社会的な有害性」や「被害」といった要素は必ずしも含まれている訳ではない、ということです。 (参考:http://www39.atwiki.jp/cactus2/pages/14.html) 批判の対象: ニセ科学の中で批判対象となるものの基準は、個々の批判者によって様々であり、一律の基準はないようです。 (参考:http://www39.atwiki.jp/cactus2/pages/15.html) 大串さんは、これのどこが違う、とお思いになりましたでしょうか? もし一律の基準があるとお考えになるのなら、その基準を提示して頂けませんか? 因みに、私には「ホンモノの室井さん」とはどこの誰のことなのか、が全く分からないのです。 それに対して、「室井さんのニセモノ」と言われても、何のことだか、私には分かり兼ねます。 まず、大串さんの知っている「ホンモノの室井さん」にご確認された話なのか、どうかという 点も気にはなりますが、それも私の知ることではありません。 ですから、 「有害性」とか、「被害」などの条件を加えた方が狭義になる ということはお分かりになりますよね。それもお分かりになりませんか? 「大串さんが標準的とお考えになる定義」は広義の定義で、 「標準的でないとお考えになる定義」は狭義の定義ですね。 いくらなんでも、これはお分かりになるでしょう? グムラシ様 申し訳ないのですが、今回はすべての「ニセ科学批判」な方のご意見を採取できるほど記事に余裕がありません。それで http://www39.atwiki.jp/cactus2/pages/15.html こちらで大括りにされている方々のスタンスすべてを取り上げることは不可能です。 ですが、貴重なご指摘には感謝します。早速草稿を一部訂正してありますので(青字)、どうぞご確認ください。:) ここで言う本物の室井氏: 「室井健亮の憂言記」 http://d.hatena.ne.jp/muroikensuke/ (これは吉岡氏がそのように仰っています http://www.minusionwater.com/muroiamo.htm http://s02.megalodon.jp/2008-0127-0534-57/www.minusionwater.com/muroiamo.htm 室井氏への確認ですね。この点のご指摘にも感謝します。しっかりと否定していただかないと、当方としてもどうしていいのか分かりませんので。 > 「大串さんが標準的とお考えになる定義」 これも繰り返しで恐縮なのですが、今回事件の背景として今回の定義をご紹介しています。この点もどうぞご了承ください。 グムラシ様 早速、室井氏ご本人にお聞きしてきました。 http://d.hatena.ne.jp/muroikensuke/20071120/1195545649#c http://s04.megalodon.jp/2008-0129-1149-38/d.hatena.ne.jp/muroikensuke/20071120/1195545649 今回のご指摘に重ねて深謝です。:) お疲れ様です。 一個所、誤解を招きそうなところがあるので、説明が必要かと思います。 吉岡氏と私の最初のやりとりは、磁気活水器の科学的あるいはニセ科学的説明をめぐるものでした。これは、何回かのメールのやりとりの後、一旦終わります。 その次が、吉岡氏による「水は変わる」の自費出版とそれに続くウェブ製作で、開始が、エッチアールディーに対する公取の調査が始まった頃と一致しています。また、「水は変わる」の成立理由について、吉岡氏は、公取に対抗してマルチのメンバーを勇気づけるためだったと述べていましたし、同時に、新しいビジネスでは公取の主張には従わないとも明言していました(昨年7月頃まで、人生100年ネットの方で公開されていたのですが、削除されたようです)。 続けます。 その後、吉岡氏はマグローブという会社で活動を始めます。この時は、まだ、公取の指示には従わないという文書が公開されていました。ただ、宣伝がニセかどうかという議論はそんなになされていなかったかと。 神戸での提訴の理由は、吉岡氏が行っている販売方法に関する記述であり、宣伝のニセ科学性についての議論ではありません。 つまり、吉岡氏の主張は、裁判とネットで全く食い違っているのです。 販売方法を揶揄されたことを理由に提訴しておいて、ネットでは国立大学法人のサイトでニセ科学批判をして商売の邪魔をするのはけしからん、と主張しています。 吉岡氏のネットでの主張に重きをおくのであれば、販売方法を揶揄されたことが名誉毀損であるという請求は、目的外提訴であり、濫訴というべきでしょう。吉岡氏の訴状の方に重きをおくのであれば、ニセ科学云々は論点にならないというか、むしろ吉岡氏は裁判所で宣伝がニセ科学かどうかについては争点にしたがっていないように見えます。 但しこれも変わる可能性があります。冨永教授の代理人である壇弁護士は、吉岡氏のビジネスが悪徳商法であることを積極的に立証しようとしていますので。 さらにちぐはぐな点がもう1つあります。 「商売の妨げになる」というのが提訴の理由であるなら、原告は、有限会社健康と環境の神戸クラブなり、マグローブ株式会社なりであるはずです。しかし、原告は吉岡英介個人なんです。本当に営業に差し障ると考えているのなら、なぜ法人として提訴してこなかったのかがわかりません。 apj様 お疲れ様です。貴重な情報のご提供に深謝です。 これらをapj様の側の説明として、是非第3記事等にも含めさせていただきます。 吉岡氏の行動や主張や裁判での争点がぶれているのではないか、というのは僕個人も感じています。 他所でも書きましたが、ビジネス的観点からすればご自分の首をご自分で絞めているのではないか、とも思えます。 またapj様がご指摘の「水が変わる」という文書の持つ複数の顔については、その顔が何面相なのかがよく分からないので今回は割愛しました。 これは穿ち過ぎかもしれませんが、もしかしたらこの多面性を持つ文書の発表が、最終的には吉岡氏とエッチアールディー社との決別のきっかけとなったのではなかろうか、と僕は疑ってさえいます。正直、あれをエッチアールディー社が公式に採用することはさすがにないと思うので。 (つづく) (つづき)
壇弁護士がそちらの線でいくかもしれない、という件は了解です。法的に確実な有効打、という観点からでしょうか。 吉岡氏に個人的には同情するものの、こればかりはどうしようもないですね。。。 そうなれば、公取への云々ということもそちらの記事には含めざるを得なくなるでしょう。直接関係のある事実関係ですので。 大変残念なことです。。。 草稿は出来次第お送りします。どうぞ今しばらくお待ちください。
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