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中国産ギョーザ:中毒原因のメタミドホス、現地でも問題に

 中国産冷凍ギョーザによる中毒の原因になった有機リン系殺虫剤のメタミドホスは、以前から中国産青果物からたびたび検出され、中国現地でも基準違反が相次ぎ、問題になっていた。にもかかわらず、中国産の加工食品で農薬検査をする企業はほとんどなかった。

 日本では02年から、中国産カリフラワーやレイシ、そばなどから基準値を超える量が何度も検出され、2年前、厚生労働省は中国産そばについて全量検査が必要な検査命令を出すなどメタミドホスは要注意の農薬だった。

 しかし、そうした中国の事情を考慮した検査体制を取る企業は少ない。岩井睦雄JT取締役は「中国産の冷凍野菜では農薬を検査していたが、加工品では異臭や細菌検査しかしていなかった」と体制の不備を認めた。

 一方、日本生活協同組合連合会では年に1度、商品サンプルの農薬を調べているが、限られた商品が対象で、今回問題となったギョーザでは実施していなかった。飯村彰・同連合会常務理事は「千葉県の3件目の食中毒で警察からの通報を受け、初めて農薬のことを知った。1件目から農薬に注目すべきだった」と反省点を挙げた。

 食料自給率が40%を切る輸入大国、日本。食卓は中国産の加工食品に対する依存度が高い。今後、コストとの兼ね合いでどこまで農薬検査を拡充できるか、重い課題が突きつけられた。

【小島正美】

毎日新聞 2008年1月31日 0時53分

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