中国製ギョーザによる中毒で、新たに434人が回収対象のギョーザなどを食べた後にめまいや吐き気といった不調を訴え、自治体などに届けていたことが31日午後8時現在の共同通信の集計で分かった。有機リン系殺虫剤「メタミドホス」との因果関係はいずれも不明。30日に中毒が判明した10人と不調を訴えた7人を加えると、症状を訴えたのは35都道府県の計451人に上った。

 厚生労働省は31日、全都道府県に同様の事例の報告を指示するとともに、製造元の中国・河北省の「天洋食品」からギョーザ以外の食品を輸入していた計19社の社名と品名を公表、自治体を通じて各社に天洋食品の全製品を販売しないよう要請した。

 中国政府は「関連企業の輸出を停止した。(中国の)警察当局が捜査を始めた」と発表した。

 舛添要一厚労相は「冷蔵庫を見て、(回収対象の商品は)絶対に口にしないでほしい」と呼び掛けた。中国食材への不安が広がり、外食産業や学校給食でも食材を控える動きが出た。

 集計によると、20人以上が不調を訴えたのは青森、茨城、埼玉、神奈川、福岡などだった。

 厚労省によると、メタミドホスが混入した原因が判明し次第、検査体制の見直しなど再発防止策を検討する。

 殺虫剤がギョーザの包装内部からも検出されており、厚労省は製造や包装過程で混入した可能性もあるとみている。

 政府は関係閣僚会議を開催。連携して被害拡大防止や原因究明を進めることを確認した。

 厚労省が公表した19社以外に、マルハと日本ハム、日本食研も31日、天洋食品でつくった製品や原料を使用した商品を自主回収すると発表した。

 また日本医師会には、食品による有機リン中毒の疑いのある患者を診断した場合、速やかに保健所へ通報するよう要請した。

=2008/02/01付 西日本新聞朝刊=