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長野のひき逃げ死亡事故、韓国人被告の控訴を棄却

1月30日(水)

 長野市上松一の市道で1997年10月、自転車に乗っていた近くの会社員山浦一雄さん=当時(61)=が車でひき逃げされ死亡した事件で、業務上過失致死と道交法違反(ひき逃げ)などの罪で長野地裁で懲役2年の判決を受け、量刑不当を理由に控訴した韓国籍の無職チョ・ヨンウ被告(45)の控訴審初公判は30日午前、東京高裁(服部悟裁判長)で開いた。即日結審し、服部裁判長は控訴を棄却する判決を言い渡した。

 公判で弁護側は病気という韓国の母と姉の診断書を提出、執行猶予付き判決を求めた。検察側は控訴棄却を求めた。服部裁判長は判決で「被告人の過失や結果は重大」と指摘。不法残留の発覚を恐れて逃走したことなどについて「犯行は悪質。10年を経ても、遺族の処罰感情は厳しいものがある」とした。

 弁護側は上告しない方針という。

 判決によると、チョ被告は97年10月16日午後7時10分ごろ、長野市上松一の市道でバンを運転、自転車で横断中の山浦さんをはねて脳挫傷や外傷性くも膜下出血などのけがをさせたまま逃げた。山浦さんは5日後に死亡した。事故当時、無免許でバンを運転した。

 チョ被告は98年9月に無免許運転の疑いで逮捕され、ひき逃げ容疑が発覚しないまま韓国に強制送還。昨年7月、日韓犯罪人引渡条約に基づき日本側に身柄が引き渡された後、逮捕、起訴された。