(ア) 背景・経過等
救急出場件数の増加傾向に伴い、救急車の現場到着時間も延伸しており、救命効果への影響が懸念されています。こうした救急需要対策の一環として救急搬送トリアージ制度に関し、平成17年度に消防総監の諮問機関である救急業務懇話会に諮問した結果、平成18年3月の答申において、救急現場における緊急度、重症度に応じたトリアージ制度導入の必要性や方向性が示されました。この答申に基づき、東京都メディカルコントロール協議会と連携し、救急現場において、出場した救急隊の容態観察により、明らかに緊急性がなく、救急車による搬送の要否が判断できる基準の策定について検討した結果、検証を経て救急搬送トリアージシートが作成されました。当該シートを用い、救急搬送トリアージ制度の試行を開始しました。
(イ) 試行の概要
a 開始時期
救急相談センターの運用開始に合わせ、平成19年6月1日から試行を開始しました。
b 対応要領
救急搬送トリアージ基準により、緊急性が認められないと判断された事案については、自己通院を促し傷病者の同意を前提に不搬送とすることで、早期の再出場体制を確保します。
図1 救急搬送トリアージ試行の概要
