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「毒味して売って」 返品続々、広がる不安 '08/1/31

 いつも食べていたのに―。中国製の冷凍ギョーザによる中毒が発覚してから一夜明けた三十一日、販売先のスーパーでは主婦らが商品の表示を確認。「怖い」「毒味してから売って」。相次ぐ返品に店員が対応に追われ、店頭から中国製の食品が姿を消すなど各地で“ギョーザショック”が広がった。

 兵庫県高砂市の三人が中毒になったギョーザを販売した可能性が高いイトーヨーカドー加古川店(同県加古川市)。開店から約一時間たった十時ごろから、サービスカウンターに商品を返品する人が相次ぎ、従業員が返金に応じた。

 冷凍食品の陳列棚では、目の高さの位置に注意を呼び掛ける張り紙。手に取った商品を裏返し、原産国表示などを確認する人の姿が目立った。

 返品した高砂市の主婦(43)は「あのギョーザは主人の酒のつまみ。昨日も晩ご飯に出して子どもに食べさせるところだった。ニュースでパッケージが表示され血の気がひいた」。「それでも冷凍食品は主婦の友。今後は吟味して選びたい」と困惑気味。

 さいたま市浦和区のスーパー「ライフ浦和白幡店」では、問題の商品は扱っていないが、中国産の材料が使われている冷凍食品やレトルト食品計十五品目を自主撤去。同店管理マネジャーの大久保雅和おおくぼ・まさかずさん(56)は「風評被害も懸念して撤去した。安全が確認されるまで扱わない」と話した。

 買い物客は次々に「中国製」に対する不信感を訴えた。東京都江東区のジャスコ南砂店に来ていた近所の主婦(38)は「これまで中国製は避けてきた。それでも外食だと分からない。命にかかわる問題で『毒味』して売ってほしいとまで思ってしまう」と不安そう。

 別の主婦(32)は、問題の公表が被害発生から一カ月もたっていたことを「食べていたかもしれないと思うと怖い。もっと早く情報を公表すべき」と厳しかった。




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