山間地でけがをした人を救出するため、県防災航空隊と有田市消防本部は30日、同市の明神山などで合同訓練を実施した。県が昨年4月から防災ヘリコプターに医師も同乗するシステムを導入したことを受けた訓練。医師らがヘリからロープで降下して救助に当たった。
山菜採りの2人組の1人がハチに刺されてショック症状を起こし、助けようとしたもう1人はがけを約20メートル滑り落ちたとの想定。消防隊員から連絡を受け、南紀白浜空港から防災ヘリ「きしゅう」が、田辺市の南和歌山医療センターの医師や資材を乗せて現場へ急行。空中停止し、医師と隊員が一緒にロープで降りた。詳細な内容を知らせず、その場で適切な判断ができるかどうかも訓練した。
防災ヘリは96年度から稼働し、年間出動は平均約60件。今年度は12月までに72件、うち7件は医師が同乗した。県立医大のドクターヘリは03年からだが、現場にロープで降りる装置はついていない。【辻加奈子】
毎日新聞 2008年1月31日