携帯で被災地画像を集約 東京都がシステム開発へ2008年01月30日17時05分 大地震の時、被災現場に向かう消防署員や自治体職員に携帯端末で被災状況を送ってもらい、各地の様子がひと目でわかるようなシステムの開発に、東京都が新年度から乗り出す。火災などが広がる恐れのある場合、限られた救助隊をどこに投入するか、迅速で的確な判断に役立てる。刻々と変わる現場の情報を集約するシステムは全国初という。
都の構想では、消防署員や防災担当の自治体職員が常に専用携帯電話を所有。大地震の際、現場の画像やランク付けした被害状況を、都庁内の災害対策本部に送信する。本部では縦3メートル、横16メートルの巨大スクリーン上の地図に、火災や倒壊家屋、けが人、道路の寸断状況などが主な場所ごとに示される。 区市町村、防災ヘリからの情報も反映され、都知事らがデータをもとに救助の指揮をとる。自衛隊の派遣先、道路復旧部隊の配置、交通規制、水の供給……。システムは東京消防庁と共有し、同庁では各地の消防署を指揮して消防、救急車の派遣先の決定に役立てる。 10億円をかけて開発し、10年度末までの運用開始を目指す。 都は91年、現庁舎ができた時に災害情報システムを導入したが、区市町村の入力にとどまり、端末操作の複雑さなどの問題点が指摘されてきた。財団法人・全国地域情報化推進協会によると、他の道府県の災害情報システムも市町村からの入力情報の集約が大半で、現場の情報を端末で送り、自動的に集計する仕組みは珍しいという。 室崎益輝・消防研究センター所長は「人工衛星やヘリの画像だけでは草の根の被害状況が分からず、補完する取り組みとして評価できる。情報をいかに救助活動などの対策に生かすか、運用マニュアルの整備が求められる」と話す。 データ送信が集中する災害時は携帯送信が難しいなどの課題もある。都は試行訓練を重ねたうえ警察官らにも広げ、災害時の情報一元化を進める考えだ。 PR情報この記事の関連情報暮らし
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