パリ(CNN) フランスの大手銀行ソシエテ・ジェネラル(SG)の巨額損失問題で、不正取引を行ったとして拘束された元トレーダーのジェローム・ケルビエル氏(31)が、他の行員のアクセスコードでコンピューターを使用する悪質な手口を使っていたことが、SGの文書で27日明らかになった。
ケルビエル氏は社内の業務やチェック体制をを十分把握したうえで、架空会社を利用して欧州の株価指数先物などデリバティブ(金融派生商品)関連の取引を行っていた。即時確認を求められない種類の取り引きを選択し、他の行員のアクセスコードを使ってキャンセルする。さらに自身が別の種類の取り引きを行ったように見せかけるため、虚偽の取り引き履歴に関する文書をねつ造する──という方法で、不正発覚を逃れていた。
SGはケルビエル氏の不正取引の持ち高(ポジション)を先週3日間にわたって売却したが、その過程で金融市場を混乱させた可能性を否定している。
ケルビエル氏は26日に拘束された。フランスの法律に従い、事情聴取は28日午後まで延長できる。