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【外信コラム】ベルリン物語 本物より重い中国車
このニュースのトピックス:通商・貿易
米ディズニーのシンデレラ城のモデルになった「ノイシュバンシュタイン城」や、ヒトラーが演説をしたミュンヘンのビアホール「ホーフブロイハウス」などドイツの観光地に、大勢の中国人旅行客が押し寄せている。
中国の驚異的な経済成長により、独国内での中国人観も変わりつつあるが、中国企業が独高級車をまねて、世界にコピー車を輸出する事態には我慢ならないようだ。「19世紀に英国に渡ったドイツ製品は懐疑的に見られ、40年前の日本製品も物まねだといわれた。中国車が今後、どう化けるかは分からない」(BMW幹部)というのは少数派で、中国車に向けられる視線は実に厳しい。
独TV局の若手記者は「ベンツやポルシェは独特の顔(外観)を持つ。中国が独車をコピーするのは独車のカリスマ性を奪うこと、ドイツの魂を奪うことだ」と憤慨する。自動車ショーで中国車に乗った独紙記者は「車内のプラスチックのにおいで鼻が曲がりそうになり、急激なめまいに襲われた。欧州の車体基準だけでなく衛生基準も満たせない」と言い放つ。
世界の自動車各社はライバル社の車を分解し、鉄の度合いや各種パーツの秘密も探り合う。だが、中国車の実力は低く、ある記者は「中国が造ったトヨタ・クラウンのコピー車は何と、実物よりも約400キロも重い」と教えてくれた。(黒沢潤)