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2008年1月28日 (月)

清渓川復元事業に学ぼう

高知新聞に投書しました。

Niyodogawakakou■清渓川復元事業を反面教師として見習ってほしい

本欄に「道路をつくるために新堀川にふたをしないように」という市民の声が頻繁に掲載されていますが、行政担当者は、いったい高知市の未来図をどう描いているのでしょう。

韓国の次の大統領李明博(イミョンバク)さんは、ソウル市長時代に、ソウル市中央を流れるふたをした清渓川(チョンゲチョン)とその上を走る地上と高架あわせて10車線の道路を、美しい清流の水辺に復元する大事業で、市民の憩いの場として蘇らせました。

川にふたをすると太陽光線がさえぎられ、水をきれいにする水草や藻類は光合成できなくなって水が汚れ、水中の魚などの動物も生きられなくなります。清渓川の場合、流域の人口が増えて生活排水も流れこみ、川は悪臭を放って衛生状態も悪化、周辺はスラム化していたそうです。そこで、李明博さんは、清渓川の復元事業を公約として市長になり、総工費3867億ウォン(約540億円)、3年の歳月をかけて水辺を市民にとりもどしました。車の排気ガスが消えたばかりか、清渓川は風の通り道となってヒートアイランド現象もなくなり、訪れる人も増えているそうです。

この事業に、高知市と高知県は反面教師として見習うべきではないでしょうか。ふたをしてからでは、遅いのです。

地球温暖化がさけばれているいま、自動車の利便性より、人間をふくめた生態系に欠かせない水資源のはたす役割に目を向けていただきたい。また、新堀川の歴史的文化遺産としての価値をもっと大切にしていただきたい。そう願っています。


《写真は仁淀川河口/西村健一さん提供》

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