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【記者手帳】帰化選手の五輪出場、卓球協会が難色

 中国から帰化した女子卓球選手のタン・イェソ(27・大韓航空)=中国名・唐娜(タン・ナ)=の五輪出場が不透明になったという26日付本紙の報道を受け、大韓卓球協会ホームページの掲示板には批判の書き込みが相次いでいる。

 2000年に大韓航空卓球部の練習パートナーとして韓国に渡った元中国ユース代表のタン・イェソは昨年10月、韓国に帰化し、今年の総合選手権シングルで優勝。世界選手権代表選抜戦を10戦全勝で通過し、「コリアンドリーム」を掴んだ。しかし、協会側は「世界ランキングにも入っておらず、国際的に認められていない選手を五輪に出場させることができるのか」という論理で代表への選出に否定的な立場を見せている。これに対し、卓球ファンからは「実力で選ぶべきだ」「国際的に認められていない選手に10戦10敗を喫した韓国選手は(卓球選手ではなく)サッカー選手だったとでもいうのか」といった声が上がっている。

 協会の態度には釈然としないところがある。むしろ「中国出身者を五輪に出場させられない」とか「われわれの最後の自尊心を捨てることになる」などと説明すればストレートに聞こえる。もし、純粋な韓国選手がタン・イェソのような成績を収めたとしても、「国際的に認められていないから」といって、代表選考から外しただろうか。

 タン・イェソが帰化を決心したのは、中国で実力を認められる機会が与えられなかったためだ。シンガポールと香港の卓球協会もスカウトしようとしたが、彼女は「中国協会の影響を受けるところに行けば、堂々と中国と戦うことができない」という理由で拒否した。

 タン・イェソは韓国に来れば公正な評価、新しいチャンスが得られると信じて韓国人になった。しかし、韓国の協会は実力に見合ったチャンスを与えることに中国よりも消極的だ。開放と競争力が話題に上る時代において、全てを超越して勝負を追求しなければならないスポーツ界がこんなに閉鎖的なことに納得がいかない。

キム・ドンソク記者

朝鮮日報/朝鮮日報JNS
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