非認定学位で教授昇進 金沢大 米の大学で「博士号」
金沢大学医学部の男性教授(理学療法)と女性准教授(看護学)が昇進の際、米国の非認定大学で取得した「博士号」などの学位を経歴として使っていたことが26日、分かった。文部科学省は07年12月、国内各大学に、「大学の信頼低下につながる」として、非認定大学の学位の扱いについて厳正な対応を求める通知をしている。金沢大は2教員の処分は考えていないとしている。
男性教授は2002年、米国の非認定大学「ニューポート大」の日本校に論文などを提出し、人間行動学の「博士号」を取得。翌03年に助教授から教授に昇進した。男性教授は、最終学歴・学位を大学の公式ホームページに掲載している。教授は同大に対し、「非認定校とは知らなかった」と話しているという。
女性准教授は97年にニューポート大で「修士号」を取得し、99年に金沢大講師から助教授に昇進した。
金沢大では、業績、博士号、教育経験を昇進の判断材料にしている。同大は、2教員の昇進は「業績を重視した」とし、今後は非認定校の学位は昇進を決める材料にしないとしている。
非認定校は政府が認めていない学校で、修了しても学位は公に通用しない。文部科学省によると、米国では非認定校で学位を数十万円程度で売買するところもあり、取得した学位を就職などに悪用する例がある。
(2008年1月27日 読売新聞)